MOMOさんがバイクに乗り始めたのは10年前。免許取得後に行ったバイク屋で、初めて所有する1台と出会った。
「本当はオフロードに乗りたかったんだけど、足が届かなかったんです。でもそのバイク屋さんにはビラーゴがあって、跨がってみたら足付きが良かった。それでビラーゴに乗ることにしたんです」
それからは元来の旅好きが高じて、水を得た魚のように走り回った。通勤はもちろん、仲間とのツーリングや、ソロラン、九州一周や関東までの弾丸RUNなど……とにかくよく走った。その間に、1度は違うバイクにも乗ったが再びビラーゴに戻るほどに、彼女のビラーゴ愛は深かったのである。
「ビラーゴって250なのにすごく速いんです! だから大型バイクの人たちと走っても全然ついていける。大好きなバイクでしたね」
しかし、そんな2代目ビラーゴが、ある時ついに壊れてしまったのである。そして、その少し前に「仲間がトラブったときのために」と、大型免許を取得していた彼女は、「免許もあるし、今度は大型に乗ってみようかな」と考えた。
こうしてMOMOさんはスポーツスターで大型デビューを果たすことに。883Nアイアンに憧れがあったため、それを手に出来なかったのでオレンジの883Rの外装を潔くマットブラックに変更。タンクのペイントこそ女性的だが、その他はタフな走りを実現する仕様となっている。
「ビラーゴが速かったから、自然と速く走ることが大好きになっちゃったんです」
ヘッドライトはナイトランに備えてHIDに換装、タイヤはグリップを重視してK300をチョイスした。更に、ハンドルはスワローバーで攻めの前傾姿勢を確保。普段は笑顔を絶やさない素敵なMOMOさんだが、走りはなかなかに男前だ。
「家の近くに海も山もあるので、休日や出勤前はどちらかに走りに行くのが楽しみです」
いつか海外をバイクで走ることを夢見ながら、MOMOさんは今日も無心に愛車を乗り回している。スーパートラップの小気味よいサウンドを後方に奏でながら……。