バイクに乗るキッカケは人それぞれ。女性の場合は彼氏の影響というのが、一番良く聞く話だけど、Manaさんの場合は違った。
「中学生の時、家庭教師の先生が女性でアメリカンバイクに乗っていたんです。それでカッコいいなあ……、って。あとベタになっちゃうけど、10代のときに観た映画“イージーライダー”はショッキングでしたね。その影響もかなり大きいです」
学生時代からバイクへの想いを強く持ち、原付、HONDA 250Tマスター、YAMAHA SRを乗り継いで来た。20代の頃はラジカセとおにぎりを持って山の麓まではバイクで行き、そこから登山を楽しんでいたというアクティブな女性である。そんな彼女のバイクライフを支えたのは、Manaさんの地元、仙台に店を構えるMOTOR HILLの存在が大きかったと言う。
「このショップが本当に好きで、私は“師匠”と呼んでる人がいるんですけど親身になってアドバイスをくれたんです。だからこのハーレーに乗ってるのも師匠の影響が大きいですね」
それは数年前に友人たちと北海道を旅した時のことだった。大きなフィールドを走るにあたってもっと排気量が欲しいと考えたときに、師匠からこんな言葉を投げかけられた。
「バイクで何がしたいの?」
実にシンプルなクエスチョンだった。彼女は迷うことなく「トラブルを気にすることなく旅をしたい。ハーレーの鼓動を感じて乗ること自体を楽しみたい」と、即答。それに対しての師匠の解答が2003年式の最終キャブ車である今のスポーツスターだったのだ。カラーリングは膨張色だとバイクが大きく見えて乗るのがおっくうになりかねない。だから師匠はそうならないようにとダークカラーをチョイス。なるほど、こうした心遣いも彼女が師匠と呼ぶゆえんになっているのかもしれない。
現在は、3年前の転勤から宮城を離れて東京に住んでいるManaさん。しかし住む場所は変われど、師匠が手がけた愛車とはいつでも一緒だ。
「バイクと苦楽を共にしたいと思っています。バイクがあるだけで人生がドラマチックになるし色んな出会いがあります。ひまわりからコスモスに移り変わる景色もバイクに乗っているからこそ味わえるもの。そんな景色だったり、いろんな人にこれからも出会いたいですね」
ヨガインストラクターの学校を卒業して、不定期でヨガクラスも開催しているManaさん。こうしてアクティブにバイクに乗る姿とは若干のギャップを感じるものの、それがまた彼女の魅力となっているのだ。