朝晩の肌寒さが秋の到来を感じさせる9月の終盤、そろそろバイク乗りも衣替えの季節だろうか。そんな初秋の小雨降る中、地元長崎から撮影のためにわざわざ福岡まで足を運んでくれたのがリエさんである。何でも大の方向音痴だそうで、前日からルートを何度も確認してやってきてくれたそうだ。
「高速が恐くて恐くてもうビビりながら……。それとスグ道に迷ってしまうのでホント頑張ってやってきたんですよ」
彼女のバイクはビッグツインのダイナモデル。ストックでも十分に威風堂々としたシルエットなのだが、よりインパクトを出しながらもスッキリとさせたい。そして女性オーナーだと感じさせないような悪っぽさにしたくて、カスタムは福岡県のキッドカスタムファクトリーに依頼。タンクからリアへと流れるようなラインを形成し、リア回りはフェンダーをカットアウトしてホイールをワイド化。それを強調すべくナンバーをサイドへ移設するなど、素材の旨味を引き出す技術が盛り込まれている。またリアフェンダーにはドリルド加工を施して、それに合わせてマフラーガードにもドリルド。こうして全体の統一感を出して、更に彼女の一番の希望であった「悪っぽさ」は同県のモブスター専属ペインターMONDOが担当。この大胆なフレイムスが彼女のイメージである「悪さ」を見事に表現している。
「こんなに悪っぽくなった愛車を早くみんなに自慢したいからいろんな所へ走りに行きたい。でもまずは高速道路の克服、そして方向音痴だからナビの導入も検討しないと(笑)」
小柄な女性がオーナーとは想像も出来ないバイクのスタイリング。でもこれからは、きっとアクティブな彼女の姿を九州で見かける機会も増えてくるはずだ。
「道でバイクを倒していたり道に迷ってる感じだったら優しくサポートやナビゲートしてくださいね」
苦手なことでもポジティブに立ち向かう、そんなリエさんである。