チョッパーへの探究心が尽きることない茨城県のPowers Motorcycle。最新のカスタムマシンとなるチョッパーは、ナックルベースの正統派チョッパーである。
ベースとなるフレームはシンプルかつチョパーらしさ溢れるMullins Chain Drive製のシングルクレードルフレーム。S&S製ナックルモーターは同じくS&SスーパーEキャブやパワモオリジナルのエキゾーストで吸排気をライトチューン。2 in 1のサイドターンナウトマフラーはその存在感はさることながら、コンパクトに収まった造形美も見所だ。
フロント足周りにはH-D純正39パイのテレスコピックフォークにワンオフのティラーバーが往年のチョッパーファンには堪らない。マスタングタンク風のワンオフタンクやボリューム感がありながら収まりの良いワンオフのコブラシート、そして小振りなシッシーバーと、随所にビルダーの技術力が注がれる。コストが限られていた点に苦労したというが、ネガティブな印象を感じさせない仕上がりだ。
そして、このマシンに華を添えるのが赤を基調としたペイントワークと、タンクに描かれたグラフィック。IZUMIによる奇抜な配色とデザインが、このマシンのコンセプトとなる「世紀末」を端的に表現する。
チョッパーという乗り物がこの世に生み出されて半世紀が経った現代には、チョッパーから派生した様々なスタイルが混在する。しかし、正統派チョッパーは時代が経っても色褪せることはない。そう、それがいつの時代になろうとも。この世が終ろうとも。