エンジンワークに並ならない情熱を傾けるショップが、千葉県八街にあるSURE SHOTだ。その傾倒ぶりは代表の相川拓也氏と少しでも話せば瞭然で、彼の言動からは心底のスキモノぶりが伺える。
今回の一台は、そんな氏の内燃機へのコダワリはもとより、徹底的に手を入れた外観が唯一無二の存在感を放ったものだ。コンセプトは『ストリートファイター』で、極力ナローなスタイルにまとめ上げるのに尽力して仕上げられた。
古いエンジンと、90年代に派生した新たなスタイルであるストリートファイターという新旧の融合をテーマにプロジェクトはスタート。エンジンに選択したのはそのテーマに沿う細身のアイアンモーターで、ご覧の完成形を見れば、イメージ通りのナローなスタイルにフィニッシュされているのが分かるだろう。
では、ディテイルに目を向けよう。見せ場は主に2点。片持ちスイングアームとダウンドラフトキャブである。スイングアームは、厚さ5mmの楕円パイプを手曲げで製作。なかなか曲がらないため、思い描く形に仕上げるのに苦労したと言う。また、オイルタンクからラインを引いてサブタンクも兼ねた作りとし、ナロー化のためにモノサス化としている。次に、インパクトの強いウェーバーのダウンドラフトキャブだが、こちらのインマニはアルミ溶接でワンオフ、外に出っ張らないよう極力内側に寄せるのに労力を費やしたそうだ。
新旧の融合によるストリートファイター。そして、ナローなスタイルという当初のコンセプトを相川氏なりの解釈でメイクしたマシンである。