近年、日本のカスタムシーンでは煌びやかな装飾やカスタムを施したバイクを展示するショーが各地で盛り上がりをみせているのは周知の事実。が、速さを追求するドラッグレースもまた各地で開催されており、腕自慢の“兵”がコンマ何秒を競い合っているのだ。
今回紹介するのは、ツアラーモデルを更に大きく魅せるバガーカスタムを得意とする福岡県のエニーヘッズ。とは言ってもこのマシンはバガーではなく、そこでメカニックとして働く奥氏のプライベートバイクだ。長年メカニックとして培ってきたスキルを自身のマシンに投影させたストリートドラッグレーサーである。3年前から内燃機や吸排気、バックステップ、カウルなどのカスタムを始めて、ストックの状態から現在のカタチに作り上げたのだが、構成部位はほぼボルトオンパーツとなっている。奥氏曰く「ドラッグレースは少しのカスタム、例えばマフラー一つでもマシンの走りが変わってスグに実感出来るのがオモシロイんですよ。また愛車のポテンシャルを試せる場でも有りますからね」。
これが近年盛り上がりを魅せるドラッグレースシーンの大きな要因のひとつなのだろうが、カスタムショップのメカニックだからこそ、ワンオフやフルカスタムしたマシンではなく敢えてボルトオンパーツを使ったマシンを駆っている。これは、ユーザーに近いスタンスで、気軽感を伝えることで今後のカスタムプランの参考にしてもらいたいという考えからだ。レーサーとしてもビルダーとしても、これから注目したい人物である。