自分だけのオリジナリティあふれる1台をつくりあげる。それがカスタムの醍醐味だが、ハーレーダビッドソンにおけるカスタムの楽しさはリプレイスパーツの豊富さから見ても別格とも言え、さまざまなカスタムを施しているのが実情だ。エンジン自体に手を加えたり、外装のペイントをすべてやり直すといった大がかりなものから、握りやすいレバーに交換したり、バックレストやエンジンガードを取り付ける、お気に入りのステッカーを貼るのだって立派なカスタムかもしれない。十人十色、それぞれに楽しめばいい。
そんな多彩なカスタムパーツの中でも、ひときわ人気が高いのがリプレイスマフラーだ。ノーマルとは異なるルックス、サウンド、そしてパワーフィールを得ることができる重要なパーツだけに、カスタムの定番メニューと言ってもいいだろう。ハーレーの母国アメリカはもちろん、日本を含め世界中でカスタムマフラーが販売されている。カスタムシーンのトレンドをリードし続けるアメリカ西海岸(California)のマフラーブランド “BUB(バブ)”は品質の高さと、そのパフォーマンスからアメリカのVツインフリークに支持されてきたエキゾーストマフラーだ。今回、編集部ではツーリングモデル用の“BUB 7 True Dual Systems”と、スポーツスター用の“BUB LAKESTERS(レイクスター)”を装着した2台の試乗機会を得た。
迫力のあるアグレッシブな重低音サウンドを低回転域から轟かせつつ、アクセルをさらに開けていくと、ミッドレンジからトップエンドまでパワフルに伸びていく。
まずはO2センターポートを標準装備し、1995~2011年のFLモデルに対応する“BUB 7 True Dual Systems”装着車を走らせてみよう。車両はCVOストリートグライドと豪華。なるほど、深い光沢を放つクロームメッキのエキパイやサイレンサーは非常に完成度が高い。最上級モデルのCVOに取り付けても遜色のない存在感を放っている。左右独立タイプのヘッダーパイプに、1・3/4インチ→2インチの異径パイプを採用することで、高回転域はパワフルである。低回転域が犠牲になっているものの、そこは大排気量のハーレーダビッドソンだから問題はない。高回転域での伸びがあり、FLのハイスピードクルージングがいっそう楽しくなる。サウンドはかなり迫力のあるもので、Vツインサウンドをタップリと味わいたいという人にも十分納得のいくレベルだろう。
ヘッダーパイプは“BUB”のロゴがあしらわれた2・1/4インチのヒートシールドで覆われている。これなら汚れの焦げ付きや変色を気にすることなく長く乗れそうだ。吸気側の燃料調整が必要のない点もありがたい。3・1/2インチのスラッシュカットマフラーはカットの向きを上下どちらでも取り付けできるほか、エンドキャップをクロームとテフロンブラックから選択可能。ボディもクロームとセラミックブラックコートのどちらかが選べ、自分だけの1本としてディテイルまでこだわることができる。
写真はクロームボディ/クロームエンドキャップ(品番05-7072-CCCC)、11万223円。ボディはクロームとセラミックブラックコートの2種類からチョイスが可能。
サドルバッグの後端のラインにピッタリと合わせた長さのアルミエンドキャップを装備。エンドキャップはクロームとテフロンブラックコートの2種類が選べる。
エキパイにはO2センサーポートを標準装備し、インジェクションモデルにも対応。1995年~2011年のFLツーリングモデルに適合する。燃料調整によるカスタマイズも可能だが、そのままでもOK。
写真はLONG FLUSHブラックカラー(品番05-3052-BG)、6万6714円。オプションのサウンドリデューシングバッフル取り付けにより音量軽減可能。
続いてはキャブ仕様のXL883Rに取り付けられた“BUB LAKESTERS”。O2センサーを標準装備しているインジェクションモデルにも適合。つまり、2004~2011年のスポーツスターに対応する。リアシリンダーからアウトされたエキゾーストパイプはフロントシリンダーパイプに沿うようにレイアウトされ、2本の黒いエキパイがそのまま後方へ伸びる。このシンプルなルックス通り、サウンドもアグレッシッブ。アクセルを開けていくと、胸のすくミッドレンジとトップエンドが体感できる。音量はオプションの“サウンドリデューシングバッフル”を取り付けることにより、調整が可能。“BUB 7 True Dual Systems” 同様にクローム仕様を選ぶこともでき、エンドキャップも4種類から選択可能。ルックスだけでなくサウンドやパワーフィールまで、強い主張のあるマフラーが欲しい。そう思っている人には最適なエキゾーストシステムといえよう。本場アメリカのカスタムマインドが宿る刺激的なマフラーである。
クロームとブラックの2種類から選べ、オプションのエンドキャップはスタイルの異なる4種類をラインナップ。マフラーエンド部分には「BUB LAKESTERS」のロゴが入る。
インジェクションモデルにも装着できるようO2センサーポートを標準装備。燃料調整の必要がなく、2004年~2011年のスポーツスターモデルに適合する。燃料調整によるカスタマイズも可能。
リアシリンダーパイプをフロントシリンダーパイプに沿うようレイアウトされたエキゾーストパイプ。2本のエキパイはステーを介しフレームにしっかりマウントされている。