ウエスコ史上初となるコードヴァン(馬の尻部分の革)を贅沢にも全面に使った2012年のジャパンリミテッドモデル「CORDOVAN J.H. CLASSICS」。まずは、このモデルが生まれることになったバッグボーンを簡単に整理しておこう。2005年のジャパンリミテッドモデルとして登場したホースハイドが使われたチャンピオンボスにはじまり、以後ホースハイドを使ったモデルをリリースしてきたウエスコだが、バンプとカウンターにこの革を使うには強度不足だった。しかし2011年にリリースしたフライトマスターでオイルコードヴァンをクォーターに使用し、同じホースハイドでもコードヴァンなら十分な強度と耐久性を確保することが可能なことが実証され、今回の企画に繋がったというわけだ。
ヴァンプ、カウンター、クォーターに至るまで最高品質のオイルコードヴァンを使用したJ.H. CLASSICS。このモデルを1足作るためには、4~5頭の馬の尻から磨き上げた貴重なコードヴァンが必要となる。それらの理由から、今回も極少数での限定生産だ。ステッチはヘビー&レギュラーともにオールブラックとされ、アイレットもブラックを採用。これはすべてを黒で統一することによりオイルコードヴァンの質感を最大限に引き出すことが狙いとなっている。#430ビブラムソールはシングルミッドソールのロアヒール仕様。ロウ引きの紐も特徴的なディテイルだ。そして5.5ozのBTレザーを使ったレザーインソールがインストールされている点も見逃せない。
オイルコードヴァンの艶かしい輝きからドレスシューズと見紛うかのエレガントな佇まいであるが、このCORDOVAN J.H. CLASSICSはウエスコの根幹たるワークブーツの資質を持ち合わせていることは言うまでもない。ハードなブーツは苦手という方にもウエスコブーツを知っていただくいいキッカケになるモデルではないだろうか。オーダーはすでにスタートしている。来春のデリバリーを心待ちにしようではないか。