都会の喧噪から離れた静かな環境でバイクビルドに対峙するカスタムビルダー、ロナーセイジ中村實。流行り廃りとは無縁の世界で自らの感性のみを指針に突き進む孤高のカスタムビルダー中村實の表現方法には、その苦労を見せないという特徴がある。声高に主張するのではなく、氏の言葉を借りれば「見たままに感じて欲しい……」という作り手の思いが車両に宿っている。ここに紹介する車両は1989年式のFXSTSをベースに仕上げられたロナーセイジのコンセプトマシンである。煌びやかなカスタムペイントが施された車両とは対極に位置するロナーセイジのニューライン、「DARKSIDE」と名付けられたシリーズの一台となっている。ではこの車両の本質とは……? それは作り手の意のままに、それぞれの感性に委ねよう。