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バージンハーレー.comでは「新型コロナに負けるな!」というコンセプトにより、手軽に楽しめる過去アーカイブ記事を紹介させていただきたいと思います。まずは大人気コンテンツの「ブタでもわかるハーレーエンスー入門講座」をご紹介します。じっくり読んで、ハーレーダビッドソンのウンチクを身につけていただければと思います。
もしもサスペンションがなかったらオートバイで走ることは今の何倍も難しく、スピードは何分の一じゃろう。ショックを吸収しコーナリングを助ける魔法の装置を学ぼうかの。
俺でも解ると大好評の「ブタでもわかるハーレーエンスー入門講座」、その第12時間目のお題はサスペンションである。日本語では懸架装置、あるいは緩衝装置と言うが、一般的にはフロントフォーク/リアサスと言ったほうがお馴染みじゃな。
オートバイというものが誕生した当初は、サスペンションは路面の凹凸によるショックを和らげるものとしての役割が最も重要じゃったが、道路が整備されて砂利から舗装となり、オートバイの性能も向上してハイスピードでの走行が可能になるにしたがい、サスペンションに求められるものはコーナーリングをよりスムーズに行うための性能になった。
ハーレーに限らず長い歴史をもつオートバイの創成期において、ほとんどはフロントのみにしかサスペンションが与えられていなかった。それもスプリンガ一、あるいはガーターフォークのようなスプリングが剥き出しのもの。それがスプリングとダンパー機能を内蔵式としたテレスコピック式に取って代わられ、リアにもサスペンションが与えられるようになる。ちなみにハーレーの場合、テレスコピックは1949年から、リアサスは1952年から採用されていることはご存知の者も多かろう。
グライドフォークと呼ばれるハーレーのテレスコピック式フロントフォークには、2本のフォークの間が広いワイドグライド(FL系全機種とFX系のWGモデル)と、フォーク聞が狭いナローグラ イド(WG以外のFX系とXL系全機種)の2種類が存在しておる。
リアはスイングアームを2本のサスペンションで支えるトラディショナルな構造をハーレーも採用しておる。ちょっと見にはリジッドフレームのようにも思えるソフテイルはハーレーがパテントを持つ傑作じゃが、これとてトラス(三角形)構造のスイングアームをフレーム下に取り付けた 2本のサスで保持しているという意味では、基本的にはベーシックなものといえるじゃろう。ちなみにレーシングバイクやスポーツモデルはスイングアームの取り付け部付近にテコの原理を応用したリンクを介して、一本のサスペンションでスイングアームの動きを制御しておるのじゃ。モノサスと称されるこのシステムは、ハーレーのVR1000にも採用されておるな。
簡単に言えば、サスペンションの内部はバネとダンパーで出来ておる。バネが伸び縮みしてショックの吸収や路面の追従を行うのだが、バネだけだと伸びたり縮んだりの反動が出てしまうから、ダンパーと呼ばれる抵抗装置でそれを制御しているというわけじゃ。それゆえサスの調整はイニシャルと呼ばれるスプリングの長さと、減衰と呼ばれるダンパーの強弱をあわせて行うことによって、はじめて自分にマッチした乗り味が得られるということを忘れんようにな。またFLH系の ツアラーモデルは前後にエアーサスぺンションを採用しており、スプリングに加え圧縮空気の力を利用することによって、2人乗りや荷物を満載したときのサスペンション効果の向上を実現しておるのじゃ。
というわけで12時間目もこれにて終了。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。分からんことは素直に聞くようにな。ではまた、ホグホグ。