VIRGIN HARLEY |  1時間目 エンジンのキホン。ブタでもわかるハーレーエンスー入門講座

1時間目 エンジンのキホン。

  • 掲載日/ 2015年10月07日【ブタでもわかるハーレーエンスー入門講座】

ハーレーダビッドソンというオートバイの奥深い世界への入り口となる「エンスー」の入門編知識を、分かりやすいイラストとともに解説したこの講座。この連載をじっくり読めば、通り一遍のエンスー知識は十分身につくはずじゃ。

忘れてはならんのは、バイクは知識で走るものではないということ。歴史やメカニズムのウンチクを知ることと同時に、自分の手でバイクをイジり、とにかくたくさん走り回ること。これこそがハーレーダビッドソンというオートバイをより深く知る唯一の方法なのじゃよ。

さ、それでは早速講義を始めるとしようかの。ホグホグ。

1時間目 エンジンのキホン。

ハーレーのエンジンはV型2気筒。Vツインと呼ばれておるのはご存知のとおり。ならば気筒ってなに? V型って?ではまず基本中の基本から学ぶことにしようかの。

第1時間目の内容は、オートバイエンジンの「気筒」について。日本語で内燃機関と呼ばれるエンジンは、ガソリンの爆発によるピストンの上下往復運動 (レシプロ運動という) を円運動に変えて動力として利用する機械。①のイラストでも分かるように、1つのエンジンにピストンが1個使われているものをシングルシリンダー (シングル)=単気筒、2個ならツイン=2気筒、3気筒以上をマルチと呼ぶ。で、我らがハーレーはもちろん2気筒じゃな。

ひとくちに2気筒=ツインといっても、これまたいくつもの種類がある。図解②を見るべし。2つのピストンがどんなふうに配置されているかで、それぞれに名称が与えられておる。ハーレーのエンジンがVツインと呼ばれるのはご存じのとおり。これはその名のとおり2つのピストンがVの方向に動くから。またイタリアのドゥカティやモトグッツィも同じV型。V型2気筒=Vツインはのんびり走るアメリカンにもスポーツバイクにも適した構造と言えるのじゃ。またV型エンジンでもその角度(挟み角という)は様々で、ハーレーは初めてVツインを作って以来一貫して45度。ドゥカティは90度で、VツインならぬLツインと呼ばれておる。

ハーレーのライバルであるツインエンジンのことも学んでおくとしよう。トライアンフやノ一トンなどの英国車は、2つのピストンが並列にならぶパラレルツイン。中でもニつのシリンダーが直立しておるものをバーチカルツインと呼ぶ。Vツインがアメリカのオートバイエンジンの象徴であるように、バーチカルツインはブリティッシュの歴史と伝統そのものじゃ。

ドイツのBMWは水平対向のフラットツインで、これはボクサーツインと呼ばれる。左右水平に往復するピストンの動きがパンチを繰り出すボクサーの腕のようじゃろ。このようにツインと言ってもいろいろあるが、面白いのはこのピストン・レイアウトがお国柄を表しているということ。ハーレーと並びアメリカを代表する「ブイハチ」エンジンはもちろんV型だし、イギリスの国民車ともいうべきミニクーパーは並列4気筒。ドイツはVW初代ビートル (4気筒) もポルシェ911(6気筒)も水平対向なのじゃ。

参考までに、エンジンをバイクに載せるときの置き方についても話しておくこととしよう。図解③に注目。一般的にはエンジンというのはクランク軸が進行方向に対して横向きに置かれるが、これを縦に置くバイクも少なくない。イタリアのモトグッツィやドイツのBMWが縦置きの代表で、この場合ほとんどが、チェーンでなく自動車のようにシャフトでリアタイヤを駆動しておる。

いかがかな? エンジンとひとくちに言っても、最も基本となる「気筒」だけでもこれ程いろんな種類があるというワケじゃ。そしてこれは単に段計上の違いだけでなく、パワーやトルクといった性能や、「味」という言葉で語られるフィーリングにも大きく影響を与えることはいうまでもない。ま、そうした違いについてもおいおい説明していくがな。

と、ここいらへんで1時間目は終了。ではまた、ホグホグ。

 

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