オーソドックスなジェットヘルメットだと、その帽体の大きさから着用時の姿がアンバランスになり、頭でっかちなフォルムから「マッチ棒」と揶揄されることがある。なるべくコンパクトな帽体でスタイリッシュにまとめたい。そうなると、現在のものより小さな帽体で形成されていたビンテージヘルメットが選択肢として浮かんでくるが、その経年劣化から見て安全性という点では、決して信頼度は高くない。
SG規格に合格できるコンパクトな帽体のジェットヘルメット。そんな理想を実現したのが、アクティブの『500-TXJ』だ。
ベースとして選ばれたのが、ビンテージバイク乗りのあいだで至高の存在とされるBELL 500-TX。1960年代アメリカで生まれたこのジェットヘルメットは、今では考えられないほど小ぶりで美しいシルエットを有しており、程度の良いものなら二桁万円を軽く超える価格で取引されるほど。
「あの500-TXを現代の規格で再現させたい」
と、開発がスタート。まずはその500-TXをコンピューターでスキャンし、シルエットを忠実に再現。SG規格合格のギリギリだというラインを保ちつつ、着用しても圧迫感がない厚みの発砲ライナーで内部が形成されている。100回を超える衝撃テストを乗り越え、約3年の歳月をかけて量産化&販売が実現した。
徹底的に500-TXのフォルムを再現しているため、被り口がオーソドックスなジェットヘルメットに比べてはるかに狭い設計になっている。着用時にはここをグッと押し広げて被らねばならないというコツも必要になってくるが、着用時の見た目はもちろん、他のジェットヘルメットと見比べた際の違いは歴然としている。
もっとも大きなサイズで、59-60cmのMサイズとなっている。それよりも頭が大きい人に合うサイズは今のところはないのだが、2016年夏を目標に、もうワンサイズ上のL帽体でLサイズ(61-62cm)とXLサイズ(63-64cm)を販売する予定だそう。
オプションパーツとして。「フラットシールド」に「バブルシールド」、さらにアイボリーとブラックの2色からなる「520J バイザー」も用意されている。「ヘルメットにはこだわりがある」という方はぜひチェックしてみてほしい。
オリジナルの500-TXをコンピュータースキャンにかけて完全再現。引き締まった頬部分や張り出し気味の額部分がポイント。
SG規格対応製品。
額と後頭部のBELLのデカールも当時のデザインで蘇る。
かなり狭い設計の頬部分にあたるチークパッドには、柔らかい羊革を採用。
オリジナル同様に19mmのゴムモールを使用。シルエットの違いは歴然だ。
現代のジェットヘルメットと比べても細いタイプの21mmあご紐ベルトと牛革のベルトサポート。
白黒の発砲ライナーに5mm厚のスポンジパッドを取り入れている。
Mサイズ(59-60cm)とスマイルブコ(Sサイズ)とを比較。500-TXJはやや引き締まった印象だ。
専用の520Jバイザーが別売。オリジナルは3スナップのところを5スナップとしているので、専用フラットシールド(別売)が装着可能。ただし社外シールドは相性の確認が必要だ。