スポーツスターの歴史は長い。1950年代から現代まで、脈々と続くのは、その軽快なスポーツ性と親しみやすいスタイリングにあるだろう。
スポーツスターは日本語読みで、本来ならばスポーツターと呼ぶべきバイクで、それは、スポーツする人を意味している。特にショベルエンジン搭載の後期モデルから、最新のラバーマウントエンジンまでのモデルは、基本的なフレームワークをダートトラックレーサー譲りとして、本当に様々なタイプのカスタムが製作されてきた。
レーサーがルーツとはいえ、ベーシックなスポーツバイクとしての骨格を曲げなかった一世代前のスポーツスターには現在もファンが多く、このカスタムもそんな一台であるだろう。
元々スリムでシンプルなスポーツスターからさらに贅肉を削ぎ落したようなフォルム。アップマフラー化したことで、軽快なイメージはさらに強調されている。フロントフェンダーは取り払い、リアも極力切り詰められたシルエットは、シングルシートの装着もあって、オーナーだけのプライベートランナバウトとなっている。
ハンドル幅も狭く、そのライディングスタイルは、背の高いビルの合間を縫うように張りめぐらされた都会の幹線道路に良く似合う。他と群れるのを嫌うアウトローとしてのイメージが滲み出ているようなデザインだ。
製作した一国サイクルワークスは、走りをスポイルするようなチョッパーカスタムをやらないショップ。このカスタムにも、そのノウハウは活かされているのである。