FLSTC ヘリテイジ ソフテイル クラシック
デビュー年は1986年、ラインナップ歴は30年と全モデル中で最長で、名実ともに“遺産”の名にふさわしいモデル。ヘリテイジの佇まいを前にしたら、どんなクラシックスタイルのモデルでも色褪せてしまうほどだ。“ハーレーダビッドソンとしてのあるべき姿”を体現している。
ハーレーダビッドソンの歴史を語るうえで欠かせないのが、エンジンとフレームだろう。ビッグツインモデルにツインショック構造のフレームが導入される1950年代までのハーレーと言えば、リアのトライアングルが美しいリジッドフレームが主だった。その後、巨大メーカーとして大きくなっていくにつれてリジッドフレームは過去の遺物となったが、「あのスタイルこそ我々のアイデンティティー」と、現代版リジッドスタイルとして開発されたのが、ソフテイルファミリーの骨格たるソフテイルフレームだ。王道たるFLスタイル、チョッパーライクなFXスタイルと2種類に分かれるものの、リジッドを模したスタイリングが描くラインの美しさはハーレーダビッドソンだからこそ生み出せるもの。見とれるほど美しいシルエットに魅了されたら、迷わず乗ってみるべし。そしてソフテイルファミリーのモデルはパワーアップしたツインカム103Bエンジン(排気量1,689cc)へアップグレードされていることも大きなポイントである。
デビュー年は1986年、ラインナップ歴は30年と全モデル中で最長で、名実ともに“遺産”の名にふさわしいモデル。ヘリテイジの佇まいを前にしたら、どんなクラシックスタイルのモデルでも色褪せてしまうほどだ。“ハーレーダビッドソンとしてのあるべき姿”を体現している。
『ターミネーター2』抜きにその存在を語ることはできない。前後ホイールの17インチ化やリアタイヤの200ミリ化、エンジンのスケールアップにフレーム構造の見直しなど、デビュー当初のモデルと見比べるとクルーザー性能を大幅にアップ。重量級の走りこそが最大の魅力だ。
ただ黒くするだけでは芸がない、ポリッシュパーツとのコントラストを生むことで、ブラックが活きてくる。グラフィックを操るハーレーらしいスタンスが具現化したモデル、それがファットボーイローだ。近年はカラーバリエーションも豊富になり、本家ファットボーイの人気をしのぐほどに。
1949年に登場したパンヘッドモデル ハイドラグライドをほうふつさせる、ヘリテイジとは異なる風合いが魅力のデラックス。足つきの良さも大きな支持を得ているポイントで、重量感を感じさせないボディバランスが軽やかなハンドリングを生み、“操る楽しさ”を味わわせてくれる。
リジッドフレームに前後16インチスポークホイール、そしてコントローラブルなライディングというビンテージレーサースタイル「ボバー」の魅力を現代のソフテイルモデルに落とし込み、見事に再現したのがこのスリムだ。バイクとしての性能と取り回しやすさはソフテイルのなかでも屈指。
21インチホイールを押し出すロングフォーク、240ミリという凶暴ささえ漂わせるリアタイヤ、そしてそれらを組み合わせるソフテイルフレームが象るロー&ロングスタイルは、“説明いらずのハーレーダビッドソン”と評して差し支えあるまい。ダーティチョッパーの真髄、ここに極まれり。