VIRGIN HARLEY | 全米で話題沸騰のハーレー強制冷却パーツLOVE JUGSが日本上陸! 特集記事&最新情報

オーバーヒート対策の決定版。冷却ファン「LOVE JUGS」が日本上陸!
取材協力/呉工業株式会社  取材・写真・文/モリヤン  構成/VIRGIN HARLEY.com 編集部
掲載日/2015年9月9日

ハーレーエンジンの強制冷却パーツとして全米で話題沸騰中なのが、呉工業が輸入販売する「LOVE JUGS(ラブジャグズ)」である。オリジナルモデルはすでにアメリカでの装着率が高く、その効果は絶大との評判だが、さらに進化を遂げたのが今回紹介するクールマスター「COOL MASTER」である。従来モデルよりもファンの高速回転を可能にしたクールマスターを、実際に取り付けて実力を検証してみた。

THE LOVE JUGS COOL-MASTER

ダブルで装着されるファンが特徴
振動に強くタフな構造でもある

まず特徴的なのは、小型の冷却ファンがダブルで装備されているということである。今までの常識では、もっと大型のファンがエンジンのVバンクの中心にセットされるものが多く、その効果は、前後のシリンダーを均等に冷却できるものなのかどうか疑問視されることもあったのだが、LOVE JUGSはファンをダブルにすることで問題を一気に解消。そしてその性能をさらに進化させたのがクールマスターであるといって良いだろう。

 

ファンはオリジナルシリーズを上回る毎分8500回転という高速で回転して強力な風を生み出し、しかも必要な電力はダブルでたったの3.2アンペアにすぎない。構造はシンプル、パーツはサビに強いステンレススチール製。タフで、冷却効率を格段にアップさせて登場したクールマスターは、カラーも「クロームフィニッシュ」「グロッシーブラック」「フラットブラック」の3種類から選ぶことができる。つまり、エンジンのカラーリングにマッチしたスタイリングとして、セッティングできるのである。

 

今回は、取付け車種としてツーリングモデルであるロードキングをベースとしたカスタム車を選び、そのオーナー(櫻井義輝さん)からのコメントもレポートする。取り付けは、ハーレーダビッドソンマルトミ藤沢店。クールマスターの効果は、いったいどれほどのものだろうか。

 

ハーレーのエンジンは言わずと知れた空冷Vツイン。伝統的に変わらないこのシステムだが、現代の厳しい排気ガス規制もあり、薄い混合比のガソリンでエンジンを回すという、ヒートしやすい状況に追い込まれているのは事実である。特に日本仕様はその条件が厳しく、しかも大都会での交通渋滞は空冷エンジンにとって過酷な環境と言っても良いだろう。それでは、今回テストした櫻井さんに、クールマスターの印象を聞いてみよう。

 

櫻井:ノーマルエンジンはオーバーヒート対策すべきということもあって、まずインジェクションのチューニングをして、燃調の最適化を図りましたが、都会の真夏はそれでもまだ心配でしたね。だからクールマスターへの期待度は、かなり大きかったです。

 

ーまずルックスはどうですか?

 

櫻井:それぞれのファンが小型なので、やぼったくなくて良い印象ですね。それに2つのシリンダーを独自に冷やせるから、効果も上がりそうだと思いました。そして、コンパクトな設計で足に触れることもないので、ライディングには全然支障がないですね。

 

ーどんな状況で使用されましたか?

 

櫻井:妻とタンデムでツーリングに行きましたが、渋滞する場面でもオーバーヒートしそうな感じは皆無でした。前後のファン個別にスイッチがあるので、ヒートしやすいリヤ側だけという使い方もできますね。高速道路を降りたら渋滞なんていう場面でも、大きな効果が得られたと思いました。チャプターのメンバーも皆、とても興味を持っていたので、装着車は増えると思います。

 

PICKUP PRODUCTS

実際に装着作業をした現場から
クールマスターの魅力を探る

ツーリングモデルへの装着は、オプション設定されているフレームマウントキットを使っての取り付けとなる。その理由は、エンジンがフレームからラバーマウントされているためで、その振動対策にフレームからのマウントとなるのである。ちなみに、エンジンがフレームとリジットマウントされているソフテイル系はバランサーが内蔵されているため、このマウントキットが必要ない。作業を担当したのは、ハーレーダビッドソンマルトミ藤沢店の工場長である小林亨メカニック。マスターオブテクノロジーと言われる、ハーレーメカニックとしての最高レベルと長い経験を積み上げた人物である。

 

小型の冷却ファンをダブルで装備したクールマスターの本体は、重量も1200グラムと軽量に仕上げられている。エンジンがラバーマウントされているツーリングモデルやダイナ系モデルには、フレームマウントキットが必要だ。

テストピースになったのは、2011年モデルのロードキングをベース車両としたカスタムバイク。ヤッコカウルやロワーカウルを装着したウルトラに似た装備で、快適ライディングが可能だが、オーバーヒート対策は必須という車両だ。

空冷エンジンゆえに、真夏の渋滞時など、エンジン周辺の空気が移動しない環境になるとヒートしやすくなるのは当然である。ハイパワー化したエンジンなどは、なおさら辛い状況になるのだ。

取り付けは、フレームマウントキットを使用する車両の場合、ガソリンタンクを取り外す必要がある。金属製のバンド2本で、ベースステーをフレームにマウントするのだが、最初は仮止め。

これがフレームマウントキットのステーをすべて装着した状態。取り付け位置に幅をもたせられるようにボルト穴は長穴加工がされている。本体をマウントする部分にはラバーが使用されている親切設計だ。

取り付けステーに本体を装着するのは一本のボルトのみ。前後バランスは均等なので、走行中に傾いてしまうこともなく、細かい振動を逃がす効果も大きい。

前後のファン独自にオンオフスイッチを装備しているため、別々に操作することができる。配線をバッテリーから直に取る場合は、すべてここでの操作となるが、アクセサリー端子に繋げば、メインスイッチと連動できる。

三種類のカラーから、自分のエンジンにもっともマッチするものを選ぶと、違和感のない外観が手に入る。ファンの装着位置は、各シリンダーヘッドの真横という、冷却に理想的なポジションとなる。

ライディング時にも、足への干渉はまったく皆無で違和感はゼロ。ファンの回転音も小さく、走行中はほとんど耳に入らない程度である。

BRAND INFORMATION

LOVE JUGS

米国で特許を取得したデュアルファンにより、V-Twinエンジンを効果的に冷却する「LOVE JUGS」。オリジナルのファンは毎分7,500回転に対して、今回ご紹介するCOOL MASTERは毎分8,500回転の高性能ファンを搭載し、冷却効果が格段に向上している。なお、LOVE JUGSの振動を低減するオプションキットも用意されている。