VIRGIN HARLEY | 今、行きたい!アメリカツーリングスポット 特集記事&最新情報

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愛車の母国を見て感じる旅
ハーレーで走るアメリカツアー

すべてのハーレー乗りにとって特別な場所、アメリカ。アメリカを走ったことがある人なら、乾いた空気、雄大な景色、凸凹のアスファルトを容易に思い描くことができるだろう。ではアメリカを走ったことがない人は? 真っ直ぐに続く直線など曖昧なイメージしかわいていないのではないだろうか。「百聞は一見に如かず」とは言うけれど、これを読むアナタに一歩進んだアメリカ像を描いてもらうため、今回の特集ではハーレー乗りなら一度は走って訪れて欲しいアメリカの各地をご紹介したい。紹介するスポットはあくまで代表的なモノ。これ以外にもミドコロは無数に存在し、何ヶ月アメリカを走ろうと飽きることはきっとないはず。ここで紹介するスポット以外のミドコロは、いつか自らが走りに訪れその眼で確かめて欲しい。ちなみに、紹介するスポット間の距離はかなりのモノになる、私はすべてのスポットを回るのに3200kmの道を走破した。強い陽射しに焼け、乾いた空気に喉の渇きを覚え、決して楽な旅ではない。しかし、振り返ってみればそれもアメリカの魅力の一つ。ハーレーの魅力を知る人なら、一生に一度、そんな旅をしてみて欲しい。

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マザーロード ルート66
アメリカを育てた母なる道

20世紀初頭に創設された道、ルート66。アメリカ大陸を横断し、人や物資を運びアメリカ発展に貢献した歴史ある道だ。現在は、全米に張り巡らされたインターステートハイウェイにその役割を譲っている。しかし、アメリカの歴史にその名を刻んだHistoric Routeは映画や小説、音楽の中に頻繁に登場するため、ルート66を訪れる人は現在も絶えない。かつては産業道路として隆盛を誇ったこのルート66は、現在は観光道路としてアメリカのみならず、世界の人々を魅了している。沿道の産業の衰退とともに廃れかけたこともあった沿道の街も、旧い街並みを残し「旧き良きアメリカを感じられる街」として人気の観光地となっている。

 

実際にルート66をハーレーで走ってみると、道自体は普通の道。道沿いに流れていく景色は素晴らしいものではあるけれど、ルート66でしか楽しめないものではない。しかし、かつてその道を行き来した人や物に思いを馳せてみると、ルート66の歴史の一部に自分も関われたような満足感に浸ることができる。道々に残る、古い家屋を利用したカフェや土産物屋に立ち寄ると、まるでタイムスリップしたかのよう。そんな特別な道、ルート66を走るハーレーや各国のモーターサイクルは少なくはない。ルート66で出会ったというそれだけで、国籍の壁を越えて、ここを走る嬉しさを共有しお互いの旅を賛美しあうことができる。創設当初とはその目的は違ってきたが、ルート66は未だに旅する人が交差する特別な道であるのだ。

ツーリングスポット

取材スタッフの声

ひたすらまっすぐな道が続く、至福の長時間

産業道路としてはすでに使われていないため、路面の状態があまりよくないところも多い。しかし、それもルート66の魅力。変わらない景色を眺め何時間も走っていると「ああ、今アメリカを走っているんだな」という実感が湧いてくる。延々と続く至福の時間は、実に長いのだ。ところどころに点在するノスタルジックな街並みも、ルート66の雰囲気を楽しむのに一役買ってくれた。

DATA

ROUTE66

概要

古くは産業道路として栄え、現在はヒストリックルートとして注目される観光道路。

 

リンク/Wikipedia

 

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グランド・キャニオン国立公園
コロラド川が侵食した大峡谷

眼前に突然広がる大峡谷。最深1800m、最幅約30kmという日本では考えられない規模を誇るのがグランドキャニオンだ。アリゾナ州北部にあるその大峡谷は遥か上空、人工衛星からも確認することができるのだとか。数千万年前に現在のコロラド川によって侵食がはじまり、悠久のときをかけ少しずつ現在の姿へと形を成した。ただ水が流れるという行為からこれほどのモノが生まれるのか…。写真では迫力の1/100も伝わらないほどの広大な峡谷が眼前に広がる。グランドキャニオンの感動を高めてくれるのが、この景色が突然眼前に広がること。国立公園入口を走り始めてからは、意外にも緑の多い森の中を走る。「広大な荒野」をイメージしていると拍子抜けしてしまうかもしれない。しかし、ほどよいワインディングを駆け抜け、何の変哲もない駐車場のすぐそばにこの光景が広がっているのだ。駐車場からは木々に遮られ、突然こんな光景が現れるとは思いもしない。木々に遮られ、大峡谷を見ずに走るなんて、心憎い演出だ。ちなみに、グランドキャニオンは標高の高い場所にあるため、薄着だと少々寒いのでご注意を。取材は6月半ばだったが、Tシャツに長袖のシャツを1枚着ていても、やや肌寒く感じた。

 

ここはラスベガスからなら日帰りでも訪れることが可能な場所。たとえ滞在が短い旅であっても、ぜひともツーリングプランの中に入れておいて欲しいスポットだ。一生忘れられないほど雄大な景色。それが約束された場所がグランドキャニオンなのだ。

ツーリングスポット

取材スタッフの声

周囲は意外に緑が多く、涼しいトコロ

グランドキャニオンというと荒野の中にある大峡谷というイメージがあったが、国立公園内は実は緑に溢れている。森の中の緩いワインディングを気持ちよく駆け抜け、グランドキャニオンの各ビューポイント周って楽しむことができた。各ポイントによってグランドキャニオンの印象は大きく違ってくる。道すがらに設けられている路側帯のような場所でも、なかなかの景色が楽しめるので、寄り道は多めに。

DATA

グランド・キャニオン国立公園

概要

人工衛星からでも確認できる巨大な大峡谷。多くの観光客が押しかけるスポット。

参考サイト/国立公園Webサイト

参考サイト/Wikipedia

参考サイト/Googleマップリンク

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モニュメントバレー
ナバホ族が管理する彼らの聖地

ユタ州とアリゾナ州の州境にかけて広がるモニュメントバレー。その名を知らない人でも、写真を見れば「どこかで見たことがある光景だ」と思うはず。古くは西部劇をはじめとして現在でも数多くの映画のロケ地として、ドラマ、CMの撮影地として使われている場所がココなのだ。モニュメントバレー一帯の土壌が赤茶けている理由は、酸化した鉄分を土壌に含んでいるのが原因なんだとか。現在より大気中の酸素濃度が濃かった時代に酸化が進んだ大地を21世紀の今になっても見ることができる。しかし見所はなんといっても、あちこちに聳え立つ、角ばった不思議な巨岩の数々。これこそモニュメントバレーだ。古くからの地層が風によって少しずつ削り取られ現在の姿になり、現在も少しずつだがその姿を変えつつあるという。

 

日中だけではなく、朝日・夕日の美しさも特筆すべきところ。可能であれば朝から晩まで、一日を是非ここモニュメントバレーで過ごして欲しい。モニュメントバレーは「ユタ州とアリゾナ州の州境にかけて広がる」と紹介したが、正確にはどちらの州にも属していない。ここはネイティブアメリカン“ナバホ族”の居留地であり、観光客に人気のエリアは「モニュメントバレー ナバホトライバルパーク」としてナバホ族の管理の下に公開されている。大げさに言うと、アメリカの中にある別の国家。モニュメントバレーは雄大な自然だけではなく、複雑な背景を持つアメリカの歴史を知ることができる貴重なエリアでもあるのだ。

ツーリングスポット

取材スタッフの声

この景色の中を走れる。それだけで満足!

荒野をハーレーを飛ばして駆け抜ける。それだけで充分満たされた気分になるはず。モニュメントバレー内には信号が1本もないため、快走することができる。しかし、映画の撮影に使われるほどの絶景が広がるため、ここには絶好の写真ポイントが多数。道路上に停車しての撮影できる場所は限られているので、コンパクトカメラを首からぶら下げ、撮影しながら走ることをオススメする。

DATA

モニュメントバレー

概要

映画の撮影にも使われる、広大な荒野が広がるスポット。ちなみにココは国立公園ではない。

参考サイト/ナバホトライバルパークWebサイト

参考サイト/Wikipedia

参考サイト/Googleマップリンク

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ブライスキャニオン国立公園
雨露に侵食された石灰岩の尖塔

ユタ州南部にあるブライスキャニオン国立公園。ユタ州に入植した一人のモルモン教徒の名を取って名づけられた国立公園だ。荒地が広がるアメリカ西部の中にしては緑が多い場所にある。その緑の中、幻想的ともいえる尖塔群(通称“ピンククリフ”)が聳え立っているのだ。この神秘的とさえいえる光景は、驚愕という言葉でも表現しきれない。アメリカの国立公園の中でも一番美しいという声が上がっているのも十分に頷ける。

 

ブライスキャニオンの尖塔は、石灰岩の地層が長年に渡る雨露に侵食され作られた。遠めには鋭い槍が大地から聳え立つように見えているが、1本1本の大きさはかなりのモノ。この尖塔群は高さにして数十mに及ぶものがあり、底まで降りて散策が行えるトレール(小道)も用意されている。トレールは何種類もあるが、樹齢数千年を誇るブリストルコーン・パインを見られるルートが人気が高い。尖塔を眺められるビューポイントだけでも充分驚きだが、時間に余裕がある人はトレール散策をしてみて欲しい。グランドキャニオンやモニュメントバレーのような雄大な景色とはまた違う、神秘的なブライスキャニオンは近年、観光スポットとして人気が上がってきているようで、訪れる人が多い人気スポットだ。ここもラスベガスからほど近い場所にあり、短い旅行日程でも訪れることは可能。ブライスキャニオンからほど近い場所にはザイオン国立公園という巨大な岩山が聳えるスポットもあり、ここをツーリングルートに入れるライダーは多い。

ツーリングスポット

取材スタッフの声

無数の尖塔が顔を出す神秘的な空間

ブライスキャニオンは限られた時間で訪れたため、公園の外も含めれば10以上あるビューポイントのすべてを周ることができなかった。尖塔の下にあるトレールも歩くことができるらしく、そこで見られる景色は絶景とのことなので、ここは少し時間に余裕を持って回った方がいいかも。近くのザイオン国立公園とセットで駆け抜けてしまうのは…少々勿体ない。

DATA

ブライスキャニオン国立公園

概要

雨露が時間をかけ石灰岩のカタチを変え、無数の尖塔が並ぶ幻想的なスポット。

 

参考サイト/国立公園Webサイト

参考サイト/Googleマップリンク

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デスバレー国立公園
海抜マイナス85m。灼熱の大地

ラスベガスから数時間で訪れることができるデスバレー国立公園。総面積はなんと、長野県とほぼ同じという広大な国立公園だ。物々しい名前が付くことから想像できるように、生命の気配が感じられない大地が広がる場所。過去最高の気温は摂氏57度を記録したことがあるというこの場所は、標高がもっとも低い場所になると海抜以下となっている。盆地部分は海抜以下であるけれど周囲は3000m級の山々に囲まれ、まるで地球上ではないような光景が広がる。世界でも類をみないこの光景は映画の撮影地にも選ばれ、スターウォーズのワンシーンにデスバレーの大地を合成した映像が使用されるほどの異世界の景色。遥か昔、デスバレーは温暖な気候に恵まれ、巨大な湖が存在した場所であった。しかし地殻変動の結果、水分は蒸発し塩湖が広がる現在の過酷な環境の場所へと変貌を遂げた。ちなみにデスバレーという名は付いているものの、こんな環境にも生物は存在する。古くはネイティブアメリカンの一部族がこの過酷な環境に適応し、生活をしていた事実もあるのだ。

 

ここはアメリカでも屈指の気温にさいなまれるエリアであり、真夏ともなると日中は強烈な暑さにさいなまれる。ツーリングで訪れるなら、充分なガソリン補給と水の携帯をオススメしたい。私は夕暮れ時に訪れ、早朝に散策したが、それでもサウナのような熱気にかいた汗がすぐに蒸発してしまうほどだった。もちろん、そんな過酷な環境ではあるが、アメリカにツーリングに来たならぜひとも行って欲しいポイントであることは言うまでもない。

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取材スタッフの声

夕暮れは山上の“ダンテズビュー”で?

陽が落ちてからでも信じられないほど暑いのがデスバレー。日中だとエンジンがオーバーヒートする恐れもあるかもしれない。デスバレーまで来たらぜひ訪れて欲しいのは“ダンテズビュー”というポイント。デスバレーの塩湖を見下ろす山の上からの眺めは素晴らしい…らしい(日没に間に合わなかった)。それでもダンテズビューで眺めた夜の帳は生涯忘れられない景色だった。

DATA

デスバレー国立公園

概要

最高気温57℃を記録したこともある、灼熱の観光地。海抜以下の標高の場所。

 

参考サイト/国立公園Webサイト

参考サイト/Googleマップリンク

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エル・ミラージュ・ドライレイク
最高速レースが行われる干上がった湖

少し前に話題になった「世界最速のインディアン」。映画の中でバート・モンローが世界最速にチャレンジしたのは、ソルトレイクシティの“ボンネビル”。「あんなところで思いっきり走ってみたいな」なんて思った方も多いだろう。最後にご紹介するエル・ミラージュは、あのボンネビルと同じ景色が楽しめる場所なのだ。湖が干上がった平地ではレコードブレーカーを目指し、車やバイクで最高速チャレンジが定期的に開催され、週末ともなると余暇でここを走りに来る人たちで賑わう。ただし平日は写真のように閑散としているため、走りたい放題だ。信号も、対向車もないドライレイクをスロットルを回せる限りのスピードで暴走することができる。遮るモノがなにもないため、どこまでもスピードをあげてしまいそうになる。しかし、ところどころに土が露になった凸凹のダートがあるため、不用意にダートに突っ込むと危険なので注意したい。初めて訪れるときには高まる気持ちを抑えて、スピードを抑え目に周囲を走ってみて、危ないところをチェックした後に心置きなく暴走しよう。ダートとは言うものの、固められた地面はしっかりとしており150km/h程度なら怖さはない(アスファルトではないので、ブレーキには注意)。

 

ちなみに、取材日にはドライレイクで小さな竜巻が発生。突然発生した自然の不思議な現象を言葉なく見つめ続けた。ドライレイクでなくとも竜巻は発生するのだろうが、幸運な人であればここで竜巻を見ることができるかもしれない。

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ドライレイクの周囲は土が柔らかいダートなので注意!

ドライレイク内に足を踏み入れるには、柔らかい土のダートを通らなければならない。車が中途半端に土を踏み固めているせいか、表面の凹凸は結構激しい。中途半端なスピードでダートに突っ込めばハンドルを取られて怖い思いをするため、ダートでは思い切ってスロットルを開けて突っ込むべし。ドライレイクの中に入ってしまえば、しっかりとした地面が広がっているので存分に楽しもう。

DATA

エル・ミラージュ・ドライレイク

概要

最高速レースが定期的に開催される、レコードブレーカーの集うドライレイク。

 

参考サイト/Googleマップリンク

 

取材協力 取材協力