アメリカの黄金時代をインスパイアしたオリオンエース屈指の人気ブランド
そこから描き出される世界観はハーレーダビッドソンまでも彩る
“オフィス&ウェアハウス”として、ここ東京・三鷹に居を構えたオリオンエース。手がける製品はいずれも全国のバイク量販店にて手に取ることができるが、ショールームとしての機能を兼ね備えたこの本拠地でもフィッティングと購入が可能だ。オリオンエース本社なので、当然品揃えも豊富。関東近郊の方なら、気になる最新アイテムがあるときはツーリングがてら、ここ三鷹まで走りに来てはどうだろう。ショールーム前には駐車場が備わっているので、もちろん駐車は早い者勝ち!人気の最新アイテムは思っている以上の早さで流れていくこともあるので、文字どおり「善は急げ」と、このショールームまで駆けつけられたし!
住所/東京都三鷹市大沢 4-17-18 レリーフ88 1F “A★GARAGE”
電話番号/0422-30-9836
営業時間/10:00~18:00
定休日/土日祝、年末年始
東京・三鷹のオリオンエースのショールームは、長谷川社長が思い描くアメリカのガレージハウスそのもの。入口にはネオンサインやメッセージボードなどのアメリカン雑貨が飾られ、所狭しと陳列するオリオンエースのオリジナルアイテムやガレージグッズがショールームを彩る。思わずそのままくつろいでしまいそうな居心地のいい空間で、お気に入りのウェアフィッティングをぜひ。
20年以上もバイク業界で活躍してきた長谷川健司さんが、オリオンエースを立ち上げたのは2006年のこと。1930年代のホットロッドシーンを代表するスモーキングウッドペッカーをキャラクターに持つブランド『クレイスミス』との出会いから、それまでになかったアメリカンモーターサイクルグッズを取り扱う商社として立ち上げられた。当初はアメリカン雑貨全般を手がけていたが、数あるなかからアパレルに特化したメーカーとしての軸を固めていくことに。
「独立するキッカケになったのが、私自身がリターンライダーだったことでした。再びバイクライフを楽しもうと思って、リジッドのスポーツスターを買ったんですが、どうも自分がイメージするアメリカンなウェアが見当たらない。ならば、自分で作ってしまおう、と」
独立から2年後、オリオンエースの新機軸となる『JAM’S GOLD』(ジャムズゴールド)が生まれる。思い描いたのは、誰もが憧れる1950年代のアメリカの情景。古き良きその時代を再現しようと、煌めきを感じさせるゴールドラッシュというキーワードに“集まる、群がる”という意味のJAMを合わせて、ジャムズゴールドが産声をあげたのだ。
神々しいオーラを放つ聖母マリアの姿など、メキシカンなエッセンスが含まれた南部独特のテイストが香り立つジャムズゴールド。数々の製品に目をやると、長谷川社長が思い描いたとおりの世界観がそのままグラフィックとして表れていることが分かる。根底にあるのは、ビンテージが持つ普遍性だという。
「ビンテージには、新しいものにはない重厚感や深みがあります。歴史を刻んできたからこその奥深さは、ジャムズゴールドが表現したいと思う情景にマッチするもの。やはり、古き良き、に勝るものはないのでしょう」
それは、オートバイとして進化しつつも、どこか懐かしい薫りを漂わせるハーレーダビッドソンに通じるものがあると言えるのかもしれない。
一方で、さりげなくも要所にパッド類を縫い込んだり、通気性や機能性への配慮も忘れないなど、進化するモーターサイクル事情を考慮したものづくりにも目をひかれる。
「やっぱり楽しいだけじゃダメ、オートバイに乗るならば安全性についてもしっかり考えておきたいんです。私たちが手がけているのは、アメリカンカルチャーをインスパイアしつつもライディングウェアとしての側面も忘れない“アメリカンバイカーカジュアル”ですから」
とりわけオリオンエースが熟考を重ねているのが、オンシーズンでの長袖ウェアについて、だ。半袖Tシャツも販売しているものの、オートバイに乗る以上、どれだけ暑くても長袖を着用しておくことを推奨している。それゆえ、最大のポイントとなるのは通気性だ。2015年の新商品で採用したダブルガーゼなど、素材から機能性に至るまで、新しい知識や技術をどんどん取り入れて、同じバイカーとしての目線で製品開発に勤しんでいる。
「ただのアメカジなら、他にもたくさんあります。ファッションという面を楽しみつつも、ライディングに対する安心感も備わっているのがベスト。そういう意味では、新しいものと古いものをミックスさせたハイブリッドウェアでありたいと思っています」
アメリカンバイクの、というよりは、アメリカ好きライフスタイルからバイクシーンを切り取ったようなブランド、ジャムズゴールド。常にライディングウェアとしての機能性を念頭に置きながら、毎年異なるテーマからアメリカという国の薫りまでもが漂ってきそうな新製品をドロップしている。ファッションという側面を含めてのハーレーライフを楽しみたいなら、ジャムズゴールドの最新情報から目を離してはならない。
ジャムズゴールドのコンセプトはお分かりいただけたと思うが、気になる今年のテーマは『LOW RIDER』(ローライダー)だ。“夏に向けておわりなく疾走するバイカー”の姿を表現したテーマで、これまでお馴染みだったチャーミングなものよりも少しハードなグラフィックを採用し、“ちょい悪ローライダー”を演出する製品展開となっている。以前と比べても大幅にグレードアップをはたしている2015年版のジャムズゴールド。オリオンエースのショールームや最寄りのバイク量販店、そしてオリオンエースが出展しているイベント会場などで、ぜひその実物に触れてみてほしい。