最初にインタビューしたのは、バイクのカスタム&メンテナンス部門。そこで整備主任として腕を振るうのが、二川大輔さんである。中古車の販売やメンテナンス、そしてカスタム全般の責任者ということなのだが、話を伺うと笑顔でこんな答えが帰ってきた。
「モトブルーズは、部署がしっかり決まっている訳ではなくて、みんなで何でもやるんです。だからいろんな仕事が微妙にオーバーラップしている。完全に分離作業のほうが効率は良いのかもしれないですけど、いろんなアイデアとか意見が交差したほうが楽しいモノ造りができると思いますね。社長がフランクな人柄なので、そんな社風なんだと思います」
製作するカスタムにジャンルはないのだという。ハーレー乗りにも様々なユーザーがいて、その好みは千差万別。徹底的にオールドスクールチョッパーを目指す人もいれば、ハイテクカスタムの道を突き進む人もいる。走り方にしても、長距離重視のライダーや、チョイ乗り用にハーレーを選ぶ人もいる。何かに特化してしまうというのもカスタムショップならあるべき姿なのかもしれないが、モトブルーズは、どんなスタイルにも答えていく柔軟性を持ち続けているのだ。だから完成するカスタムは、パンヘッド等の旧車ベースから最新のツインカムモデルまで揃っているのである。
「モトブルーズのカスタムは、ハーレーだけではないですからね。モンキーとかカブとかもやるんですよ。でもそんなライダーが、次はハーレーをカスタムするかも知れないじゃないですか。バイク乗りに楽しさを提供するという意味では、ジャンルレスなのが当たり前だと思いますね」
モトブルーズは、ロードホッパーやヘイスト、スネークモータース、ミニロードも扱うショップ。ハーレー専門店ではないからこそ、柔軟性があるのだと言うこともできるのだ。
モトブルーズ垂水本店は、一階がバイク部門で二階がアパレル&グッズ部門となっている。その二階にお邪魔して、次にインタビューしたのはアパレルスタッフの國屋五月さんである。
「ウチのオリジナルブランドにHEAVYというものがあるんですけど、19年前にスタートして、毎年革質やなめしを少しずつ改良し値段を上げずにより良質低価格に努めています。なので今でもずーっと売れ続けています」
オリジナルブランドで最初に人気を獲得したのは、ベストである。これはチームがまとめ買いするのに良い、モトブルーズアパレル部門の基板を支える看板商品にもなり、その人気は今だ衰えることがない。そして、HEAVYは、現在ジャケットやパンツ、グローブやマスクまで全身統一することができるようになった。抜群の耐久性と、着心地の良さと低価格を兼ね備えたこのブランドは、やはりモトブルーズ一番の看板商品であり、それは未来永劫変わらないだろう。
そして最後にインタビューしたのは、営業主任の山本雅也さん。モトブルーズの垂水店と宝塚店、そしてイベントに出店する際も現場に足を運ぶアパレル部門の主任という立場である。
「新作でガーターチャップスという物を作りました。元々チャップスは人気商品ですが、もっと簡単に装着できる形状を模索していたんです。それで出てきたアイデアが、女性のストッキングみたいにガーターベルトで釣ってはどうかというスタイル。これが女性ライダーをセクシーに見せることはもちろん、意外と男性でも似合うんですよね。そんな新しいアイデアの製品は、やっぱり外に出て生の声を拾わないと生まれないですよ」
山本さんは、ほとんどの週末をバイクミーティングでの出店に当てている。年間のイベント出店数は、数えられないほどだというが、その売上は前年を下回ったことがないという。モトブルーズは、オープン当初からイベント出店に積極的で、玉田社長自らスタッフを率いてその運営に関わった。その姿勢は、現在もまったく変わることがないのだ。ハーレーのミーティングだけでなく、様々なイベントに積極的に出かけて行き、ユーザーの声を直接商品に反映していくというのがモトブルーズの基本スタイルになっているのである。
神戸市の垂水区にあるのが本店。他に国産車を扱うバイクショップの舞子店、アパレルだけの宝塚店も存在する。本店は、神戸市内の中心から西に約20キロ。国道2号線沿いにある。ショップの創業は1996年で、この垂水本店は2001年にオープンした。当時からクールブレイカーにカスタムバイクを出展するなど、バイクのモディファイには積極的だった。2006年には、アメリカ西海岸にあるチョッパー製作で有名なビッグベアチョッパーズのディーラーとなる。一階のバイク本体部門では、日々カスタムバイクの製作が進行していて、中古車の販売も積極的だ。二階のアパレル部門は、隙間なくぎっしりと商品が並べられていて、そこにはハーレー乗りが好むアイテムのすべてがあると言っても良いだろう。
明石大橋のすぐ近くにある
国道2号線沿い
モトブルーズの垂水本店は、年中無休で営業中。2009年より近畿運輸局長認証工場として認可。小型自動車分解整備の認証工場の有資格ショップとなった。カスタムは常時製作進行中。中古車は、常に20台ほど確保している。二階のアパレルコーナーには、特大おデブサイズも常時在庫があり、それもモトブルーズの大きな特徴だ。