VIRGIN HARLEY | ハーレー盗難対策に終わりなし ディスクロックで窃盗団に立ち向かうLoopの挑戦 特集記事&最新情報

盗難対策に終わりなし。ディスクロックでハーレーの窃盗団に立ち向かう、Loopの新たなる挑戦
取材協力/有限会社 東永産業  写真・文/モリヤン  構成/VIRGIN HARLEY.com 編集部
掲載日/2014年04月23日

About Loop disk lock

Loop disk lockシリーズをリリースする東永産業代表の永井さんが開発したディスクブレーキに装備するロック機構、通称ディスクロックは、単にディスクブレーキのローターにロックを挟み込むだけのものではない。ディスクをロックさせると同時に、太いシャフトをホイールの内側に挿入して、回転させることを阻止するというアイデアが盛り込まれているのである。パテントも取得している極めて優秀なロックなのだが、今回全面的にその製品群がリニューアルされ、数年ぶりに新製品としてラインナップを整えた。

―― 商品群をリニューアルする理由はなんだったんですか?

永井:まず第一に、窃盗団に立ち向かうにはずっと同じ商品ではダメで進化が必要だということです。それに僕が開発し販売している商品は、直販と限られた販売ルートでしか購入することができなかった。その点も今後は見直すことにしたのです。

―― 具体的にはどういう内容なのでしょう。

永井:以前はキタコの商品として「キタコロック」という名称で製品を製作していたこともあり、もちろんそれはキタコの販売ルートで購入することができるものでした。その後、自分のブランドとしてLOOP-D2をラインナップし、独自の販売ルートを構築したのですが、その方法だけでは、せっかく優秀なロックを作っても多くのライダーに行き渡りにくいということが分かってきたんです。だから今後は、僕らは設計と生産という分野ですべての力を注いで、販売は専門家の手を借りることにしたのです。

―― 今までは、生産から販売まですべて永井さんが管理していたということですね。

永井:そうです。その理由は、できるだけユーザーの手に渡るまでのコストを削減したいということでもあったのですが、やはりどこでも手に入る商品にならないと、本当の意味で窃盗団に立ち向かうことにならないのではないかと思いまして。今後は大手のバイクパーツ専門店や、アマゾンなどの通販システムでも購入できるようになります。そして期を同じくして、すべての製品の見直しと新製品の導入を決意しました。

永井康史

永井康史

自分自身もハーレーダビッドソンの盗難に遭遇し、それ以来徹底的に窃盗団に立ち向かうことを心に誓った金属加工エンジニア。現在の愛車は、エボリューションエンジン搭載のソフテイルとXL883。

―― 新しいディスクロックということですか?

永井:はい、今までのラインナップにはなかった商品群の充実をはかりました。まず、僕が第一に考えるロックの性能というのは「最強」ということなんですが、その点ばかりを追求すると、ものすごく重く扱いにくい物にもなりがちです。もちろんそれがロックの性能に正比例することでもあるから良いのですが、ユーザーはその他にも多くのことを要求しています。利便性や携帯性などですね。そこを両立させるのは本当に難しいのですが、様々なトライアンドエラーを繰り返し、試作品をたくさん製作して新製品を作り上げました。

―― 素材の見直しなども行われたのですか?

永井:すべてのラインナップで見直しました。内容はもちろん明かせませんが、フィンランド製アブロイ社のキーもグレードごとに分けるよう、細かい変更を実施しています。

―― チェーン付きのディスクロックにも新しいタイプが加わりましたね。

永井:そうなんです。今までのラインアップでは、チェーンはディスクロックと分けて使うことができなかったのです。携帯が困難でもガレージで使用するなら大きな性能を発揮しますから、自宅使用専用モデルという考え方のロックでした。出かける時には他のディスクロックを購入して、それを持ち歩けば良い。もちろんその方が二種類のロックを使い分けることができるし、同時に使用すればより安全になります。しかしユーザーのすべてがそれを望んでいるわけではない。

―― それでチェーンとディスクロックが分割できるタイプを開発したわけですね。

永井:そうです。ガレージではチェーンと併用。出かける時はディスクロックだけ持ち出すことができます。

―― その他にはどのような新商品がありますか?

永井:ディッシュホイールを採用しているファットボーイ用のディスクロックですね。それからまだ試作品ですが、本体の素材に2種類の金属を使用してサンドイッチし、様々な方法の破壊から守るロックという物も開発していきます。

バイクロックとは、パソコンのセキュリティソフトに似てアップデートが必要な商品である。その性能とは、窃盗団のやる気をとことん無くすものでなくてはならないが、使いやすく耐久性があり、メカニカルトラブルが少ないことも要求される。そしてどこでも買い求められるという手軽さも重要なポイントなのだ。そんなロックが世の中に浸透していけば、窃盗団も諦める日が来るのかもしれない。

最新型ディスクロック

ファットボーイ・ディッシュホイール用、ディスクロック

今までラインナップになかった、ファットボーイ用のディスクロック。LOOPの特徴であるホイールの回転防止用ロッドを専用設計で装備したモデルである。現行モデルのファットボーイとファットボーイローに採用されているディッシュホイールに開けられている穴にステンレス製のロッドを通し、ディスクロックと連結させる。これでホイールは回転させることができなくなり、たとえディスクそのものがホイールから取り外されても車体は転がすことができないのだ。窃盗団はその効果を見れば、手を出さないで去っていくに違いない。

従来のディスクロックと考え方は同じだが、ディッシュホイールの回転防止ロッドに工夫があるタイプ。携行する場合は、回転防止ロッドを反対方向に収納する。

使用する時には一度分解した本体の真ん中に回転防止ロッドを取り付け、ホイールの穴に挿入し、ディスクローターを本体で挟み込みアブロイ製のキーでロックする。

 

チェーン分割モデル&最軽量、ディスクロック

ガレージでの使用が前提のチェーン付きディスクロックはチェーンの強度とディスクロックの効果の2種類で大きな防犯効果があるアイテムとしてラインナップされていたもの。だからチェーンはディスクロックから分割できないことが前提だった。今回は利便性が考えられた分割タイプもラインナップ。ガレージと屋外での使い分けができるアイテムなのだ。もう一つは、本体に硬質ジュラルミン、ロッドにはチタン合金を使用した超軽量モデルもラインナップ。その軽さは驚くほどで、携帯性に優れたロックの登場である。

ディスクロック本体はステンレス製。チェーンはΦ8mmの超硬質素材で作られている。初めてそれぞれが分割できる構造なので、様々な環境での使用に対応できるのだ。

ディスクロック本体は超硬質ジュラルミン。ホイール回転防止ロッドにはチタン合金を使用し、ウレタンのカバーが装着された軽量モデルは、重量が従来品の半分以下。


LINE UP

LBR-100

商品番号:999-008

価格:49,950円(税込)

LDFB-01

商品番号:999-007

価格:36,720円(税込)

LDFBC-100

商品番号:999-014

価格:61,020円(税込)

LB-02

商品番号:999-006

価格:23,760円(税込)

LD-45

商品番号:999-004

価格:31,644円(税込)

LDX-01

商品番号:999-003

価格:54,000円(税込)

LDC-100

商品番号:999-010

価格:56,160円(税込)

LDZ-50

商品番号:999-001

価格:44,928円(税込)

LDXC-100

商品番号:999-012

価格:80,190円(税込)

▼ 関連する特集記事・インタビューを読む