VIRGIN HARLEY | プロのバイクコーティング術!使い込んだ愛車のハーレーをピカピカに美しく保つ 特集記事&最新情報

ハーレーをいつまでも美しく保つ、プロのコーティング術
    取材協力/デューク 取材・撮影・文/モリヤン 構成/Virgin-HARLEY.com 編集部
    掲載日:2012年10月17日(水)

デュークのバイクコーティングとは

クルマの世界ではかなりポピュラーになりつつある、プロの手によるボディコーティング。従来は、ワックスをかけるというボディケアが最も一般的だが、手間がかかる上にすぐに効果が失われるという弱点があった。そこで、ワックス不要のボディコーティングとして、様々な商品が用品量販店にも並ぶようになったが、アマチュアでも使用できるコーティング剤は、効果に限界があるのも事実だ。ショップでのサービスで行うコーティングも、専門知識が足らないスタッフでの施工では、やはりその効果の持続力や仕上がりの安定という点で疑問な部分も多い。その点デュークは、コーティングの専門店としての多くのノウハウと、実力を持っていると言える。

 

バイクの場合、クルマとは大きく違ってボディの面積が少なく、樹脂パーツや金属パーツが数多く絡んでいるため、今までの方法では、しっかりしたコーティングができない。その点を解決したのが、ここに紹介するガラスコーティング技術なのである。

 

ガラスは無機質であり、どんな環境に放置してもその質感に変化を生じることはなく、理論的には長い艶が保障される。長年クルマのボディをコーティングしてきたデュークは、素材によって微妙に変化するコーティング効果をデータ化して最適なコーティング剤を選び、実施している。その行程は、まず現状の把握からはじまり、素材を徹底的に磨き上げ、完璧に脱脂した後、最適なコーティング剤を使用して施工する。これは、プロだからこそできる理想的なボディコーティングなのだ。

 

 

作業を実施するファクトリーは、完全に温度と湿度をコントロールした環境。年間を通して一定条件で作業することを重要視している。もちろん出張でのコーティングも受け付けているが、完璧な施工を施すには環境が最も大切と考えるのが、プロの判断なのだ。

 

コーティングが終了したボディは、傷が付きにくく汚れにくい。特に足回りの汚れなども簡単な洗車で蘇るなどの大きなメリットを生み出す。施工後、簡単な洗車だけで輝きを維持できるのは、バイク乗りにとってとてもうれしいことではないだろうか。

コーティングできる部分は、塗装されている場所や金属、メッキ部分。樹脂でも塗装されていればすべてOKだ。深い艶と光沢が長期間維持されるのである。

コーティングできる部分は、塗装されている場所や金属、メッキ部分。樹脂でも塗装されていればすべてOKだ。深い艶と光沢が長期間維持されるのである。

まず最初に塗装の状態をチェックする。数字はミクロン単位で、ハーレーの標準塗装の場合は150ミクロンほどであるという。このFXRの場合は、再塗装されたものとわかる。

まず最初に塗装の状態をチェックする。数字はミクロン単位で、ハーレーの標準塗装の場合は150ミクロンほどであるという。このFXRの場合は、再塗装されたものとわかる。

ガラスコーティングを施工した前後をマスキングテープで仕切ってみた。右がコーティング後である。作業スペースの天井がはっきり映るほどの艶が与えられたことが分かる。

ガラスコーティングを施工した前後をマスキングテープで仕切ってみた。右がコーティング後である。作業スペースの天井がはっきり映るほどの艶が与えられたことが分かる。

コーティングの行程

ここからは、実際のコーティング作業を細かくレポートしよう。クランケは、古澤恵ちゃんの愛車。ちょっと古いFXRだ。彼女はこのハーレーを中古車として購入し、長く乗り続けている。日頃の足やツーリングの友として大活躍しているが、ボディケアはそこそこという状態だ。

 

まずは現状をチェック

ガソリンタンクはそこそこの艶があるものの、フレームを見ると、かなり長期間ノンケアな感じである。でも年式からすれば上出来。

ガソリンタンクはそこそこの艶があるものの、フレームを見ると、かなり長期間ノンケアな感じである。でも年式からすれば上出来。

アルミの地肌がかなり曇って、汚れが付着したままその質感も変化しつつあるプライマリーカバー。もったいない感じである。

アルミの地肌がかなり曇って、汚れが付着したままその質感も変化しつつあるプライマリーカバー。もったいない感じである。

マフラーやエキパイ部分は汚れが放置状態だ。手が入りにくい部分には、うっすらとサビも発生している。このまま放置は危険だ。

マフラーやエキパイ部分は汚れが放置状態だ。手が入りにくい部分には、うっすらとサビも発生している。このまま放置は危険だ。

足回りは最も汚れやすい上に、ケアしにくい部分。汚れてはいるが、まだまだ蘇らせることができる状態にある。

足回りは最も汚れやすい上に、ケアしにくい部分。汚れてはいるが、まだまだ蘇らせることができる状態にある。

古澤恵

古澤恵

今やバイク雑誌で見ない日はないほどの人気モデル。雑誌バージンハーレーでも巻頭の新車一気乗り企画などで元気な姿を披露しているから、説明の必要もないだろう。彼女の愛車はエボリューションエンジンを搭載したFXRだ。好きな人にはたまらないちょっとレアなモデルを颯爽と乗りこなす。元レースクイーンなのである。

準備作業(洗車)

洗車で電装品に不具合を生じないように、シートは取り外し、バッテリー付近は完全にカバーをしてしまう。

洗車で電装品に不具合を生じないように、シートは取り外し、バッテリー付近は完全にカバーをしてしまう。

洗車は汚れの激しい足回りから。油汚れを浮かす洗浄剤を吹きかけ、ブラッシングを繰り返す。とても細かい作業だ。

洗車は汚れの激しい足回りから。油汚れを浮かす洗浄剤を吹きかけ、ブラッシングを繰り返す。とても細かい作業だ。

エンジンのフィンやクランクケース周辺も念入りに洗浄する。オイル漏れが激しい車両だと、施工できない場合もある。

エンジンのフィンやクランクケース周辺も念入りに洗浄する。オイル漏れが激しい車両だと、施工できない場合もある。

最後に車体全体を水洗いして、埃や表面の汚れを徹底的に洗い流す。しかし、流水は必要最小限。効率の良い洗車なのだ。

最後に車体全体を水洗いして、埃や表面の汚れを徹底的に洗い流す。しかし、流水は必要最小限。効率の良い洗車なのだ。

洗車作業を終えたら、高圧エアーでブローする。水分を完全に除去してから、次の工程に移るのである。

洗車作業を終えたら、高圧エアーでブローする。水分を完全に除去してから、次の工程に移るのである。

研磨作業と脱脂

洗車で落ち切れない汚れや表面に浮かんだサビなど、金属面の場合は特に研磨作業は重要だ。ノンシリコンのコンパウンドを使う。

洗車で落ち切れない汚れや表面に浮かんだサビなど、金属面の場合は特に研磨作業は重要だ。ノンシリコンのコンパウンドを使う。

エアーツールのポリッシャーだけでもこれほどの種類を使い分ける。コンパウンドも数多くの種類を用意する。

エアーツールのポリッシャーだけでもこれほどの種類を使い分ける。コンパウンドも数多くの種類を用意する。

コーティング剤をしっかりボディに定着させるため、完全な脱脂作業を実施する。これが不十分だと、コーティング効果を発揮しない。

コーティング剤をしっかりボディに定着させるため、完全な脱脂作業を実施する。これが不十分だと、コーティング効果を発揮しない。

コーティング剤をしっかりボディに定着させるため、完全な脱脂作業を実施する。これが不十分だと、コーティング効果を発揮しない。

今回は、効果の状態を確認しやすくするために、タンク中央にマスキングして後ろ部分だけコーティングしてみた。

今回は、効果の状態を確認しやすくするために、タンク中央にマスキングして後ろ部分だけコーティングしてみた。

コーティングと仕上げ

いよいよコーティング剤を塗布する時がきた。専用のウエスに適量のコーティング剤を染み込ませる。

いよいよコーティング剤を塗布する時がきた。専用のウエスに適量のコーティング剤を染み込ませる。

優しいタッチでボディーに塗り込む。塗り込むというよりは、均等にボディをなでるというイメージである。その後は30分放置。

優しいタッチでボディーに塗り込む。塗り込むというよりは、均等にボディをなでるというイメージである。その後は30分放置。

作業途中で見学に来た恵ちゃん。あまりの美しさに感動。でもまだプライマリーカバーは、磨いただけでコーティング前なのです。

作業途中で見学に来た恵ちゃん。あまりの美しさに感動。でもまだプライマリーカバーは、磨いただけでコーティング前なのです。

真ん中のマスキングを取った状態で艶の差を確認。あまりの違いに、後で前側もお願いしますと、懇願しておりました。

真ん中のマスキングを取った状態で艶の差を確認。あまりの違いに、後で前側もお願いしますと、懇願しておりました。

金属の地肌やメッキ部分は、塗装ボディとは種類の違うコーティング剤を使用するとのこと。きめ細かい作業を実施しているのだ。

金属の地肌やメッキ部分は、塗装ボディとは種類の違うコーティング剤を使用するとのこと。きめ細かい作業を実施しているのだ。

金属部分でもその作業工程は同じだ。洗浄して磨き、脱脂してからコーティングする。サビは、徹底的に除去する必要がある。

金属部分でもその作業工程は同じだ。洗浄して磨き、脱脂してからコーティングする。サビは、徹底的に除去する必要がある。

コーティング作業を終了したら、30分から1時間は放置してその後、柔らかい布で吹き上げる。完全硬化までは24時間かかる。

コーティング作業を終了したら、30分から1時間は放置してその後、柔らかい布で吹き上げる。完全硬化までは24時間かかる。

アルミの地肌もこのとおりの艶が蘇った。高熱にはならないプライマリーケース等は充分な効果が期待できる。

アルミの地肌もこのとおりの艶が蘇った。高熱にはならないプライマリーケース等は充分な効果が期待できる。

すべての作業が終了して、すっかりきれいになったFXRを見て感動する恵ちゃんに、三木店長は「ちゃんと洗車するんですよ」とアドバイス。これからは洗車も楽になるはずだ。FXRはますます活躍することでしょう。

すべての作業が終了して、すっかりきれいになったFXRを見て感動する恵ちゃんに、三木店長は「ちゃんと洗車するんですよ」とアドバイス。これからは洗車も楽になるはずだ。FXRはますます活躍することでしょう。

プロテクションフィルム

ボディーコーティングとはまた別の技術で、透明のフィルムをボディに貼り付けるという方法である。これは飛び石などの大きなダメージからボディを保護するために考案されたプロテクション効果の高いボディケアだ。

 

バイクの場合はガソリンタンクの上面や前方等に施工すると効果がある。極めて薄いフィルムを使用して、しわなくムラも生じないので、ほとんどフィルムとは分からないことが特徴だ。部分的にカットして貼り付けることもできるので、傷の付きやすい場所を選んで施工すると良い。

カーボン部分の途中からフィルムを張り込んだ例。表面に光沢があるので、マットな質感が艶のあるものへと変化している。

カーボン部分の途中からフィルムを張り込んだ例。表面に光沢があるので、マットな質感が艶のあるものへと変化している。

タンクの上面のすべてに張り込むと、まったくフィルムの存在はわからなくなる。これで傷に極めて強い表面が確保できるのだ。

タンクの上面のすべてに張り込むと、まったくフィルムの存在はわからなくなる。これで傷に極めて強い表面が確保できるのだ。

飛び石などで傷が付きやすいガソリンタンクの全面だけ部分的に張り込むこともできる。形や大きさは自由に決められるのだ。

飛び石などで傷が付きやすいガソリンタンクの全面だけ部分的に張り込むこともできる。形や大きさは自由に決められるのだ。

保護紙からフィルムを剥がし、専用液を付けてヘラで伸ばす。曲面にもしわなく張り込むことができる。

保護紙からフィルムを剥がし、専用液を付けてヘラで伸ばす。曲面にもしわなく張り込むことができる。

部分的に張り込んでも、ほとんどその存在を確認できないほどの仕上がりに驚く。もちろん張り替えることもできる。

部分的に張り込んでも、ほとんどその存在を確認できないほどの仕上がりに驚く。もちろん張り替えることもできる。

バイクコーティングのDUKEが価格を改定
SHOP INFORMATION

 

 

ボディーコーティングのプロとして20年の実績を誇るデューク。クルマのボディケアは無論のこと、バイクに関しても早くからガラスコーティングの施工を実施しているボディケアの専門店である。

 

その仕事は、ただコーティング剤をボディに塗り込むだけではなく、磨きや洗浄という基本的な作業をプロの手で実施するという徹底ぶりで、リピーターは数多い。バイクレースにもスポンサードするなど、バイクに対する造詣は深く、たよりになる存在なのだ。

有限会社デューク

住所/〒187-0001東京都小平市大沼町2-877-1

TEL/042-312-1234

定休/不定期休

営業/10:00~19:00

URL:http://www.duke-i.com/index.php