取材協力/ハーレーダビッドソン 昭和の森
一昔前には「ハーレーは乗るたびに増し締めが必要」と言われたものだが、最近のハーレー、特にツインカム登場後はそんな話は都市伝説の類となっている。しかし、大排気量のエンジンが走り続ける限りは緩みがないとは言い切れない。また、カスタムなどでオーナー自らが工具を握る機会もあり、整備・点検時にはボルトの緩みを確認するのもメカニックの重要な作業だ。1つのボルトの緩みは他のボルトの緩みを誘発する。ひいてはそれが大きなトラブルを引き起こすこともあるため「たかがボルト」と油断することはできないのだ。
ハンドル周りの増し締めは走行に大きく影響するところであり、基本中の基本。ライザークランプとライザーの両方を確認する。 |
| フォークブラケットにウインカーをマウントしている車輌の場合、ここが規定値で締まっていないことは多いため注意が必要。 |
| ツインカム車輌で意外と緩みがちなのがココ。ここの緩みは他のエンジンマウント部分の緩みを誘発するので必ずチェックする。 |
スポークが1本緩めば他のスポークも緩んでくる。路面からの衝撃を吸収する役割も担っているため、定期的に調整を行う。 |
| 頻繁に緩むところではないが、安全性を考えチェック。サドルバックサポートなどは緩みやすいので同時に確認を行う。 |
| ロックタイトで強く締められていても緩んでくるのがコノ部分。強い駆動力がかかるため、整備・点検時には必ず確認する項目だ。 |
基本メンテの中でもっともサボりがちなのが注油・洗浄作業だ。これを怠っていても急激な車輌の変化は起こりづらく、整備不良であるという認識もない場合が多い。しかし、注油・洗浄を行えば走行フィーリングは確実に変わる。クラッチ、スロットル、ブレーキなど、この項目で紹介する作業は乗り手の快適さに大きく繋がる部分であるため、定期的なメンテナンスを怠らないようにしたい。下手なカスタムより体感効果が大きい作業なのだ。
クラッチやスロットルケーブル(一部モデルを除く)はワイヤーを束ねたモノ。水分の浸入などで錆び、動きが渋くなるため注油が必要。 |
| レバーのピボット部分が錆びてくると、レバーとの接触部分が少しずつ削られてしまう。ここも清掃と給油が必要な箇所だ。 |
| 前後ホイールに取り付けられているアクスルシャフトは放っておけば必ず錆び、スムーズな動きを阻害する要因になるので注意。 |
キャリパー周りのブレーキダストやピストンの汚れを清掃することでブレーキの利きは大きく改善される。前後ブレーキとも洗浄する。 |
| 端子の錆びが酷くなると電気が流れず、始動できなくなることも。ボルトの締め付けが緩く、外れてしまうことも多いので必ずチェック。 |
| エアエレメントは定期的に清掃・交換が必要。細かなホコリだけではなく、植物の葉など大きなゴミを吸っていることも多い。 |