K&Hのシートは購入の際に心配ごとがあれば気軽に相談に乗ってもらえる。一人一人にあったシートを選んでいただき、永く自社のシートを楽しんで欲しい、という想いからのサービスだ。座り心地から見た目まで、できる限りのセミオーダーが可能となっている。そこで、この項ではK&Hの「至れり尽くせり」なサービスを紹介しよう。K&Hのシートは座り心地、作りの丁寧さで評判だが、スタイルのオーダーまで受けていることは知っているだろうか? このサービスをするわけを上山氏はこう語る。
「安い買い物ではありませんから、じっくり悩んでオーナーに合った理想のシートを見つけて欲しい。だからご相談にはいつでもお乗りしますよ」。 少しでも不安点があればぜひ相談して欲しい。永く愛用できるシート選びにこだわるK&Hらしいサービスだ。
K&Hにシートをオーダーする人の中には、電話で相談してから購入する人も多い。腰が痛い、足つきが悪い、姿勢が落ち着かない…そんな悩みを経験豊富なスタッフに相談し、理想のシートに辿り着くのだ。K&Hはシートからバイクの楽しさを提案するメーカーだが、相談によってはフットポジションやハンドル位置までアドバイスする。
「乗り手の乗車姿勢はシート、ステップ、ハンドルの3点で決まります。シートだけでは解決できない場合、お客さんにハンドルを換えることを勧めることもあります」。スタッフは全員バイク乗り、それも国産車からハーレーまで数多くのバイクを乗りこなしている。だからこそ、乗り手の悩みを理解し的確にアドバイスできる。シート選びに迷ったときには、K&Hに相談して損はない。楽しくバイクに乗るためのシート選びなら、K&Hの得意分野なのだから。
K&Hのシートの標準の硬さには想定される体重幅がある。その幅から外れる人からのオーダーの場合、スポンジ原液の注入量を調整し、最適な硬さに合わせてくれる。
「体系や、車種によるフットポジション、シートにどのくらいの体重が掛かるのかを加味し硬さを調整します。ただ、私たちの作るシートはスポンジを少し「硬め」に設定しています。乗り心地を良くし、お尻が痛くなり難い柔らかさと、お尻をしっかりと支え、路面からの情報をライダーに伝える為の適度な硬さ、この2つを両立させるためです」。
そのため、購入直後は「ちょっと硬すぎるのでは?」と感じるかもしれない。しかし、K&Hのシートには「慣らし」が必要。さまざまな条件下で姿勢変化を繰り返すことで、スポンジが馴染んでくるのだ。3,000kmほどの慣らしを経て、初めてそのオーナーに最適なシートが完成する。
世界で一つのオリジナルアイテム…魅力的な響きだ。実はK&Hでも、そんなオーダーは可能。まずはレザーカラー、12種類のカラーの中から好みのものを選ぶことができる。数種類のカラーを組み合わせ、車輌のイメージに合わせたシートをオーダーすることができるので是非試して欲しい。
さらに細かなところにまでこだわりたいオーナーは8種類のステッチカラー(縫い糸の色)、6種類のパイピングカラー、11種類のスタッド(鋲)を組み合わせることも可能なのだ。K&Hのシートのクオリティはそのままに、イメージにぴったりのシートをオーダーできる。愛車のカラーやスタイルに合うような個性的なシート選び。K&Hは真摯なシート職人が集まるメーカーだが、それぞれのユーザーの趣味趣向に対応できる遊び心も持ち合わせているのが嬉しい。
K&Hのシートは完成後にスタッフによってさまざまな角度から検査される。「スポンジの硬さは?」、「レザーにたるみ、ほつれはないか?」。お客さんへ発送するまでに徹底してチェックを行い、最後に確認したスタッフの印が押される。
「ウチのシートは大量生産品ではなく、人の手で作られています。ですから完成した製品にミスがないか、最後にスタッフに確認させます。確認者の名前を入れるのは作り手の「プライド」だと思ってください」。
またシートの後ろには「K&H」と刻印されたプレートが飾られており、シートを見るとK&H製だというのが誰の目にもわかる。作りあげられるシートに自信を持っているから、すべてのシートにプレートをつけられるのだろう。