先月、ようやくウインカーを交換するという、小さいながらも確かな一歩を踏み出したワタクシ。このお仕事をさせていただいているうちにカスタム魂に火がついてきたわけですが、今回バイクの重要なパーツであるハンドルバーのカスタムに着手することにしました! ええ、もちろん私用ですよ(笑)。思い立ったが吉日とばかりに、早速トランプ長岡さんに打診。今回はなんと! ハンドルバーのパターン別取り付け&解説を交えてお届けいたします!
今回僕がコレと決めていたのが、「Tramp製 ドッグボーンライザー&ナロードラッグバー」でした。やっぱりハーレーだから、カッコよくカスタムしたい! その上で、自分が愛車とどう付き合っていきたいのか、知識が豊富なわけではありませんが、いろいろ脳内検証を繰り返した結果、「ドッグボーンとドラッグにしよう」という結論に達したのです。
さらにハンドルバーだけではあき足らず、リアフェンダーもショートカットすることに! 自分なりのイメージを固めて、トランプ長岡さんにカスタム要望を出したのです。今回は特別企画ということで、スポーツスターのXL1200RとXL883のノーマルバー、そしてトランプにラインナップされているハンドルバーを試させていただきました!
バイクを操作する上でとりわけ重要なパーツ、それがハンドルです。ここをカスタムするということは、バイクの操作性に大きな変化を与えることにつながります。まず基本的な違いとしては、
の3つの観点が挙げられます。例えばスポーツスターですが、実はXL883とXL1200、さらにXL1200シリーズの各モデルでもハンドルの幅は違っているのです。車両の排気量やパワー、走行状態などを考慮し、もっともバランスのよいものとしてメーカーが取り付けているのがノーマルハンドルバーなのです。さらに人間の体型も人それぞれですから、一概にどのハンドルバーがベストというわけではありません。幸いハーレーのカスタムは種類が豊富なので、いきなり「まず変えよう」ではなく、「自分がどんなハーレーライフを楽しみたいのか」という点を考えてみましょう。それからハンドル選びをすれば、長く付き合っていけるバーに出会える日はぐっと近くなりますよ。
「ハンドル」「ステップ」「シート」と、この3点が人体を支えるバイクの重要なポイント。ハンドルのパターンとステップ位置で荷重ポイントが変わるので、シートは最後。まずどういうスタイルを目指すのか、それが如実に現れる重要なポイント、それがハンドルだ。
ノーマルとトランプのハンドルバーを比べただけでこれだけ違う。まずはノーマルバーを基本形として、一度自分のハーレーライフに合ったライディングフォームを検証し、その上で自分にもっとも適したスタイルに近いタイプを試していくのがいいだろう。
例えばナローバーとドラッグバーを見比べると分かるが、形状によって腕からハンドルへの力の伝わり方がまるで変わってくる。スタイリングか、機能性か。乗り味も根本的に違っているので、形状だけで判断せず、こうしたポイントにも注意しよう。
今回特別に、H-D純正のノーマルハンドルバーをはじめ、トランプの製品であるハンドルバーを片っ端から取り付けていただき、乗り味を比べてみました。あくまで主観ではありますが、それぞれの違いについてインプレッションをまとめました。
車両購入時に取り付けたカスタムバー。ノーマルと比べると若干ワイドで、ご覧のとおり腕の位置は高めになります。長距離走行でもそんなに疲れませんでしたが、気になるのは手首への負担。グリップを掴むと「くの字」になって外向きになってしまいます。用途によってはアリなバーです。
メーカーが選んだハンドルバーなので、走行時のバランスや取り回しはすこぶるいいですね。1200シリーズのパワーを考えればちょうどいいかと思います。バーはノーマルのままで、ライザーを変えて高さ調整をする、といった工夫も選択肢のひとつですね。
XL1200ノーマルバーに比べて若干絞られている感じで、細かな取り回しを要するシティユースが中心になる人にはアリなバーですね。あと小柄な人にとってもちょうどいいサイズなのでは。このバーで走行時に体をキュっと絞ると、結構カッコよく見えそうです。ある意味、もっとも日本人の体型に合ったバーだと言っていいかもしれません。
ノーマルのインチサイズではなく、バーの径が細くなったミリサイズのバー。アメリカ人と違って日本人の手は小さいですから、ノーマル時よりも握り込みやすくなっています。一見変化がなさそうですが、バーを掴んでみるだけでもその変化が体感できるでしょう。
ミニエイプバーが引き締まった感じで、実際脇が締まり、腕を中に絞るようなポジションが特徴的でした。これも手が外向きになるので、ドラッグバーなどと比べたらまるで別物。シンプルな外見ながらバランスのいい幅です。自身のフォームと相談してみてください。
トリプルツリーから真上に突き出すストレートライザーとドラッグバーを装着。幅が短くハンドル位置もかなり前になるので、両拳を正面に突き出すフォームになります。細かな取り回しはこれまでのハンドルには適わないものの、苦にするほどではありません。
ストレートライザーよりも若干ハンドルが手前に来るドッグボーン。ドラッグバーでの取り回しが変わるわけではありませんが、ストレートほど猫背にはならないですね。ドラッグならではのスタイリングを保ちつつ、比較的長距離ライディングしやすいライザーです。
もっともシンプルなフォーム。アメリカ人の体型を基準に考えられているものの、そこはスポーツスター、日本人の平均身長と同じ173センチのジャージーでちょうどいい。
ジャージー本人は「さほど疲れることはなかった」と言うが、やはり腕の位置が高いので、個人差が出てくるだろう。体型に合うようであれば、これはこれで面白いスタイルだ。
正面から見ると腕が中央に絞られており、ハンドル位置が前なので体全体が前に引っ張られる感じになる。独特のフォームは見る者を惹きつけるが、そこは自分と応相談。
ハーレーダビッドソンというバイクを選んだからには、やはり見た目にこだわったカッコいいカスタムをしたいですよね。“カッコよさ”の概念は人それぞれですが、最終的にどんなスタイルにカスタムしたいか、自分のバイクライフとこすり合わせて、ある程度完成形をイメージした上で着手していくのがベストです。
“カッコよさ”と“乗りやすさ”は必ずしも両立するとは限りません。例えば、「換えてみたけど、イメージしていた乗り味とは違った」ということだってあるはず。先ほど「ハンドル・ステップ・シートの3点が荷重バランスを担っている」というお話をしましたが、スタイリングを優先させれば、弊害が生まれる可能性があるわけです。
そのときに、最初にイメージを固めた「愛車との付き合い方」と、そこから生まれた「完成形」を思い起こせば、おのずと優先順位は決まってくると思います。
確かにハンドルバーはバイクを安定させる上で重要な役目を持ったパーツですが、ここだけですべてが決まるわけではありませんし、“重視しつつもスタイリングを大事にしたい”というスタンスで取り組んでいけば、自分が思い描いた理想の愛車が完成するでしょう。
予算次第でカスタムに限りが出てくるのは当たり前。最終的にどんなスタイルにしたいのか、イメージした上で大切なところから着手していこう
僕らビルダーが一番知りたいのは、皆さんのイメージです。どういうバイクライフを描いているのか、そしてどんなスタイルにしたいのか。当然そこに予算というものが関わってくるわけですが、相談してくださる皆さんのイメージさえ固まっていれば、僕らは自身の経験から、より理想に近づけるためのプランをご提案できます。目指すスタイル次第で相談するカスタムショップが決まってくると思いますが、そうしたご自身のイメージを大切にしながら、しっかりビルダーにわがままを言っちゃってください。
長岡さんからの有り難い提案のおかげで、いろんなハンドルのパターンを試させていただいき、最終的に……結局ドッグボーンライザーとドラッグバーをチョイスしました。最初にイメージしたとおりのスタイリングだったことが一番の理由です。さらにリアフェンダーをショートにしてスパルト型テールランプにカスタムし、これまたイメージどおり全体的にスタイリッシュにまとめられました。最初にイメージし出したときはガッチリ固まっていたわけではありませんが、主要な部位をカスタムしたことで自身の方向性が定まりましたね。また今回のカスタムを経て、「次は○○○○をこうしよう」「ここは○○○○しよう」と、イメージが一層広がってきた感があります。
今回のドッグボーンライザー&ナロードラッグバーですが、良かった部分は「全体的にコンパクトにまとまり、直線的&スピーディなイメージが強くなった」ことで、反面「以前のミニエイプの方が、狭いエリアでの取り回しは秀でていた」という部分があります。ハンドルのタイプによってメリット・デメリットがあるわけですから、だからこそ自分の思い描くバイクライフのイメージを固めることが重要なんだな、と思わされました。
ドッグボーンライザーで、以前とは正反対のスタイルに変身! 当然乗り味もまるで変わってきました。ハンドルに加え、今回リアフェンダーをショートにして、テールランプもスパルト型に。カッコいい(自画自賛)
バイクに関する知識は皆無だが、バイクに乗るのは大好きという関西人。バージンハーレー編集部に配属されてからハーレーに乗り出した初心者で、それを武器に「腰の低い取材を心がける」などと抜かすフトドキ者。スポーツスターXL1200R所有。
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