暖かかった秋が過ぎ、やっと冬らしくなってきた平成23年12月、東京工科専門学校品川校 ハーレー専科二年生の学生たちは最後の実習授業を迎えていた。「12月なのに最後?」と思うかもしれないが、実習授業はここまで。二年生は1月から国家試験に向けての対策授業に突入する。その最後の実習の科目名は『自動車のトラブルシュート』である。
細かい内容を話してしまうと、今後の授業に支障をきたすので、細かい内容が知りたい方は是非とも入学をして『自動車のトラブルシュート』を味わっていただきたい(笑)。
と言うことで概要だけ話すと、『お客様 (私) が来店される。お客様はハーレーに乗ろうと思ったのにエンジンがかからずに乗れない』……このような場面から授業が始まる。
電気はテスターで見られる。
多少知識のある方なら想像はつくかもしれないが、エンジンがかからない原因は無数にある。例を挙げるなら、バッテリーなどの電気系、キャブレターなどの燃料系、燃料噴射装置などの電子制御系、エンジン本体などの機械系などが挙げられるだろう。2年間勉強してきた知識の引き出しをいかに引き出せるかが、この授業には必要とされる。
だが、2年間で培ってきた引き出しを全部開ける必要は当然ない。ヒントを言うなら、皆さんは具合が悪くなったら病院へ行き、医師から問診を受けるだろう。これと同じことをお客様に行うことで、開ける引き出しは少なくなる。さらに現車を確認することにより、開ける引き出しはさらに少なくなる。つまり、問診によりお客様からどれだけの情報が得られるか、現車確認をすることでどれだけの情報が得られるかが、この授業の大半を占める。あとは不具合個所を発見するだけだ。この不具合も、不具合と思い込んでいるだけで、実は“使用方法の間違い”ということもあるかもしれない。それらをすべて含めて判断する力がメカニックには必要とされる。
2年C組、実習終了!
最終的にこの授業では、不具合がどこにあり、どのようにすれば治るのか、または不具合ではなく使用上の問題なのかを、お客様に分かりやすく説明し、納得していただくところで授業が終わる。
これが二年間勉強してきた最終到達点である。