2年に一度の車検の時期がやってきた。前回ここで書いたとおり、しっかりと整備されたエレクトラグライドだから不安なし。午前中にクルマ、午後はハーレー、2台の車検を無事に通してきた。バイクの費用は自賠責保険24ヶ月 14,110 円、重量税 5,000 円、検査手数料 1,700 円、印紙代 20 円で合計 20,830 円。クルマを合わせれば、もちろんもっと費用がかかりお財布の中身は寂しくなったが、車検後ってなんだか気分がいい。帰り道にちょっとだけ贅沢したり、帰宅後のビールもいっそう美味かったりする。
ユーザー車検で不慣れな人にも、親切丁寧に対応してくれる最近の陸運局。継続検査の予約もインターネットでできるから便利だ。
ボクのユーザー車検初体験は 20歳くらいの頃だったか。昔から、ちゃんとできもしないくせにチャレンジ精神だけは旺盛で、ビビらずなんでもやった。今もそうだが、若い頃はもっと、物事、準備を怠っては何もできないということを知らなかったから、いつもタイヘン辛い目に遭う。小学5年生のときには、7つ上の兄からもらったタミヤ 1/10 ワーゲンオフローダーで、練習もせずにいきなり池袋のデパート屋上で開催されたラジコンレースに出場してダントツのビリになったし、16歳になるとテントの張り方も知らないまま北海道へツーリングに出掛け、キャンプなのかホームレスなのかわからなくなる始末。ジャパンスーパークロスを見ては、いきなりレース競技用のモトクロッサーを買ってレースにエントリーしてしまったり、普段は小心者で慎重派なのに、バカで無謀な部分が自分には大いにある。バックパッカーで東南アジアを放浪したときは、トゥクトゥクやバイクタクシーの運転はいつも自分がやり、そっちの気はないのに怖い物見たさでオカマバーに入ってみたり……。
書類を揃え、受付けを済ませたら、いよいよ検査ラインに並ぶ。年度末のせいか陸運局は混んでいた。二輪車の検査ラインはどこか確かめておこう。
なんでこんな話になったのか、このまま続けると公なところでは言えないことばかりになってきそうなので話を戻すが、18年前にユーザー車検なんてやる人はほとんどいなく、雑誌でレポート記事があったのを見て真似してやったのが最初。もちろん整備はテキトーだったし、書類も揃っていないし書き方もわからない。対応した検査官はさぞかし腹が立ったことだろう、検査官も当時はこわくて、社会を舐めていたタチの悪い小僧 (自分) をしっかり怒ってくれた。最初のうち3回くらい (6年分) は何をどうやったかわからぬままだったから、納税証明書を区役所にもらいに戻ったり、光軸を何度も合わせたり、とにかく必死の思いだった。
慣れているといえども、検査ラインに入ると、やっぱりドキドキする。通常、教えてくれる人はいないので、わからなければ事前に見学して流れを確認しておこう。
昔はボク以外、みんなツナギを着た人ばかりで、いかにも素人丸出しのボクに対しては「なんだコイツ」って感じだったが、最近はユーザー車検の人も増えたし、検査官の対応も素晴らしいほど親切・丁寧になっているから嬉しいかぎり。でも勘違いしてはいけないのが、整備はしっかりやるってこと。自分でできるノウハウと技量があればそれでいいが、ボクにはない。ならばお金をちゃんと払って、プロのメカニックに愛車を診てもらう。これが当たり前。安上がりに済ませたいという理由だけでユーザー車検で済ませば、いつかしっぺ返しが来ると思う。大切な愛車、そして自分の命を預ける愛車なんだから、2年に一度くらいはしっかり整備しよう。そう自分に言い聞かせるのであった。
検査に合格し書類を戻すと、新しい車検証とステッカーがもらえる。ステッカーを新しく貼り替えると気分も一新。帰り道が気持ち良いんだよな~。
バイク雑誌各誌で執筆活動を続けるフリーランス。車両インプレッションはもちろん、社会ネタ、ユーザー取材、旅モノ、用品……と、幅広いジャンルの記事を手がける。モトクロスレースに現役で参戦し続けるハードな一面を持ちつつも、40年前のOHV ツインや超ド級ビッグクルーザー、さらにはイタリアンスクーターも所有する。