開陽台へ至る北19号線。真っ直ぐ地平まで伸びる直線道路。前々回 に上げたエサヌカ線もそうだが、北海道には何本もの気持ちの良い直線道路がある。その中でもアップダウンを繰り返しながら丘に消えて行く北19号は、特に気持ちの良い道だ。もちろん初めて訪れた当時の思い出がたくさんあり思い入れがあるから、ということもあるだろう。アメリカ西部のハイデザートを切り裂いて何処まで走っても終わらない直線とは違い、北海道の直線道路はウエットで緑豊かな光景。道路以外に人の手が入った痕跡さえないアメリカの道と比べて北海道の場合、たとえ見えなくても人が生活している暖かみが近くに存在するのがわかる。広さは比べものにならないが、どちらも捨て難い景色だ。
開陽台を後に牧草地や牧場の間を抜ける直線道路を走る。陽が落ちる頃に多和平に到着。開陽台と同じく 360 度の地平線が見える多和平だが、残念ながら天気は回復せず地平線に落ちて行く夕陽も満点の星空もまったく望めなかった。それでもいい。またここを訪ねる理由ができたんだから。
ツーリングマガジン アウトライダー など二輪誌を中心に雑誌、広告等で活躍中のカメラマン。愛車は 2010年式 FLTRX ロードグライドカスタム。日本の古典芸能やアメリカインディアン等の文化から多大なる影響を受ける。バイクによる旅の写真や水中写真をライフワークとし、日本やアメリカ、ルート66などの風景を自らバイクで走って撮影するスタイル。「職業=旅人なんて書きたいけど、そこまで旅できていない」という。なぜか誌面に顔を出していること多し。