待ってました夏到来! 暑さが苦手な私が言うのもなんですが、夏が来ました。夏真っ只中でお送りするメンテナンスコラム第3回も、夏に負けない熱さとゆるさで咲き乱れます! 夏バテを吹き飛ばしながら、さぁ張り切って行きましょう!!
「走行中に突然スピードメーターが動かなくなり、スピードが分からなくなる。それと同時にウインカーのオートキャンセルが効かなくなり、点滅しっ放しになってしまう」という症状を持つクランケです。スピードメーターが動かないなんてまずいですよ! そんなの、スピード違反まっしぐらです! って、そんなわけないか…。
ここでまず最初に気をつけなければならないのは、「メーターが動かない」という事象を細かく選別することです。動かない時、「オドメーターはどうだったのか?」「ヘッドライトは?」「動かないのはメーターの針だけ?」…と、あらゆる事象に振り分け、診断系統を一気に絞り込みます。ここで面白いヒントが一つあります。それは「ターンシグナルが消えなかった」という点です。カンの良いメカニックなら、この故障診断に30秒はかかりません。インジェクションの場合、エンストまでするようなら大きなヒントと言えます。
今回のメンテナンス、やはり原因があってこそ水が浸入した事象です。原因のほとんどがコネクターに付いているダストシール不良か、配線のコネクターへの進入角度過多によるダストシールの歪みです。私の経験上、コネクターに入る手前で配線を極端に屈折させるのは軽犯罪級です。なぜなら、良いことがひとつもないからなのです。やはりハーネスと人間は真っ直ぐなのが一番理想的なんですね。今回は再発防止にダストシールにコーキングを打っておきました。この作業、基本的に部品交換なしですが、お客様の予算次第では端子と歪んだダストシールの交換をお勧めします!
広畑日産自動車・H-D事業部で経験を積み、25歳のときに「アメリカのディーラーに勤めたい」と単身渡米。アリゾナ、ラスベガスと約2年間におよぶディーラー勤務を経て帰国。現在はH-Dシティ中野店でメカニック主任として活躍中。V-RODでドラッグレースに興じるなど、幅広いハーレーライフの楽しみ方を知っている。