ユーロカスタムを牽引する存在にまで成長したドイツのNLC(NO LIMIT CUSTOM)。元々V-MAXのストリートファイター系パーツを手掛けていたメーカーだが、現在はV-RODをメインに展開。ドイツで開催されるユーロ最大のカスタムショーでは世界中のメディアに注目される存在である。
ビレットパーツ製作に欠かせないCNCマシンを3台所有するNLC。これによりPCでプログラミングしたデザインを意のままに具現化。他の追随を許さないオリジナリティあるパーツ開発を可能にしている。
今回バッドランドが仕上げた2007年式VRSCAWは、NLCがドイツでリリースするスタイルをそのまま日本に持ち込んだものだ。インナーにGCB倒立フォークを奢ったオリジナルフロントキット。ネックからリアエンドへと斬新なラインを形成する、エアボックスカバーとリアフェンダーが一体となったモノコックボディ。280ワイドをセットしたホイールなど、ほぼすべてをNLCで統一。
都心に住み、全国を走り回るオーナーに合わせたポジションにも注目したい。劣悪なトラフィックを回避すべく何度も設定し直したハンドル幅は820mm。フットコントロールはソフテイル用PM製フォワードをミッドに変更。都内とロングツーリング、双方でストレスない走りを実現したポジションだと言う。
実際に街中と高速を試乗してみた。なるほど、確かに双方共に粋な乗り味だ。ワイドタイヤ特有のバンクフィールにこそ違和感を覚えるが、リラックスしたポジションからなる水冷DOHの伸びやかなライドフィールは何物にも変え難い。
「ドイツのカスタムをリアルタイムで伝えることにウチの存在価値がある」というクワイケイイチ氏。彼のブレることのないこのスタンスこそが、日本のユーロカスタムを牽引する。