さまざまなブランドのパーツをバランス良く組んだ
理想的なストリート仕様のスポーツスター
「ハーレーダビッドソンの純正モデルカタログに“こんなスポーツスターがあったらええのにな”、というのがこのスポーツスターのコンセプトです」
2006年 最終キャブレター仕様のラバーマウント スポーツスター XL1200R。かつてエヴォスポーツ XL1200Sを所有していたというオーナーの進 和久さんは、「以前と同じじゃおもろないから、このモデルにしました。ベース車両探しからすべてシウンにおまかせしたんですが、この最終キャブを探すのは骨が折れたそうです(笑)」と語る。その横で、シウンクラフトワークス代表の松村友章氏も笑う。
パッと見たときの印象は、「これは乗ったら面白いスポーツスターだ」ということ。ホイールは前後ともサンダンス製 ENKEI TRAK TEK 7スポーク(F 19/R 18)とし、同じくTRAK TEK製フォークスプリングにオーリンズのツインショック、軽量化されたUS製ライトプーリー、ブレンボ製マスターシリンダー、ケイヒン製フラットバルブ型キャブレターなど、走行性能を高めるカスタムが随所に施されている。
それでいて、ビジュアル面でも抜かりがないところがさすが。実はこのカスタム スポーツスター、一気にすべてやりきったわけではなく、「そのときどきの予算で、ちょっとずつ進めてきたんです。最初は前後サスペンションの変更とプリロードアジャスターの換装、第2段階でキャブレターやマフラーなどの交換……といった感じですね」とはオーナーの進さん。こういうときは進行具合によって全体のバランスを崩してしまいがちだが、そこはさすがのシウン、最終的に描く理想のスタイルを変えることなく、着々とカスタムを施し、現在に至る。
「やはりカスタムするうえでもっとも重要なのは、オーナーがどんな風にハーレーと付き合いたいか、どうハーレーで遊びたいかを明確にすることだと思います。ウチ? 漠然と“なんとなくカスタムしたい”でお越しになられる方には、じっくり考える時間を持ってもらうようにしていますよ」
言葉を交わすだけで独自のカスタム哲学を有していることが伝わってくる松村氏。その彼が手掛けるカスタムハーレーには、そのときどきで姿こそ違えど、一貫した軸が存在する。
カスタムの詳細をチェック!
ハンドルバーはシウンによるワンオフ。走行時の運動性能を損なわない絶妙のポジションを生み出す。「5本だけ作ったレアなバーですよ」とは松村氏。
ブレンボ製マスターシリンダーを換装。その繊細なタッチは大柄なスポーツスターの走りを優しくコントロールする。この車両の見どころのひとつだ。
TRAK TEK フォークスプリングと同じくサンダンス製プリロードアジャスターを導入。スポーツ性能を高めるうえでフロントまわりへの手入れは不可欠。
1995年のリプレイス品をベースにマウント加工、装着したオリジナルのフューエルタンク。ラバーマウントの太いフレームにもジャストフィットする。
「座り心地はもちろん、シルエットのラインを整える意味でのチョイス」(進さん)というイージーライダース製ソロシート。真横から見たラインは秀逸。
「ノーマルはデカすぎる」と、オイルタンクをワンオフ製作。これにより両足が真下に降りるので、結果的に足付き性を良くすることにつながる。
フロント、リアともサンダンス製 ENKEI TRAK TEK 7 スポークホイールに換装。リアは18インチ化され、また車体に合わせてゴールド一色に。
フロントまわりに取り入れた他ペーツとのバランスを整えるため、ベルファスト製スタビライザーを装着。剛性アップと快適なライディングを約束する。
ケイヒン製フラットバルブ型キャブレターとS&Sエアクリーナーという組み合わせ。最終的にヴィンテージ感を演出する狙いから、このセットが選ばれた。
スポーツスターをスポーツスターらしくする――そんなテーマの必須アイテムとなりつつあるオーリンズのリアショック。ハイエンドなツインショックが選ばれた。
HOTRUNのメガホンマフラー。本モデルのスタイルにベストマッチなエキゾースト、野太いサウンドやシルエット、そして禍々しさを感じさせるダーク一色なところもグッド。
車体の軽量化にはお馴染みのUS製ライトプーリー。さまざまなタイプのものがあるプーリーだが、コスト面に加え、剛性という点でもこれがもっとも優れているのだという。
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