スポーツスターのカスタムと言えば、そのコンパクトは車体を活かしたチョッパースタイルが今の主流である。しかしその名前が示すとおり、もともと同車はハーレーのスポーツモデルとして開発されたもの。1カム(現行はツインカム)のビッグツインに対して4カムを採用し、ミッション一体型となったコンパクトかつ高性能なエンジンを見てもそれは明らかである。
そして、そんな“スポーツモデル”であるスポーツスターが本領を発揮するのが、ロードレースでもエンデューロでもなくダートトラック。そこからも分かるように、本来スポーツスターカスタムの王道と言えば、じつはチョッパーなどではなくダートトラックスタイルなのである。
広島県のモミアゲスピードが製作したのは、まさにそんなダートラックレーサーを再現した一台だ。このマシンは、同店が主催するダートライベント『Field Days』に向けて製作したものなのだが、オーナーがメインとして使用するのはあくまでも街乗り。そこで車高は必要以上にアップさせずに前後19 – 18インチホイールをバランスを調整。エンジンはストックのままとすることで、乗りやすさを優先させている。しかし、モミアゲスピードとしてはやはり「オーナーが常にダートトラックを感じられるように」と、スポーススタータンクに鮮やかなオレンジを採用。フレイムスを描くことで戦闘的なイメージを演出している。もちろんシートはTTタイプで、同店によるワンオフだ。
比較的ライトな一台ではあるが、スポーススター×ダートラレーサーという相性の良さにモミアゲスピードのハイセンスが加わわり、そのバランスは秀逸! 定番を越えた存在感を放っている。