発表から爆発的な人気を維持しているスポーツスター XL1200X フォーティーエイト。ファットなフロントタイヤと、その低く身構えた独特のフォルムはクラシカルなボバー路線だが、ルードロッド代表の榊和道さんは、新しい風をさらに吹き込んだ。
「実は、ノーマルのフォーティーエイトって、ライダーが乗っているおきのシルエットに違和感を持つんですわ。それで、思い切ってフォワードコントロールからバックステップに変更してみたんです」
ミッドコントロールに変更された同車は見たことがあるが、セパハンバックステップとは驚いた。しかし、コンパクトな車体がさらにシェイプアップされて、シャープな印象を受ける。何より低く長いそのシルエットに拍車がかかっている。そして、このポジション変更は、意外なことにスムーズなハンドリングにも貢献した。ファットタイヤのために、フロントのコントロールが若干遅れることがあるノーマルよりも、はるかにニュートラルなステア特性となって、乗りやすいのだ。
ノーマルのポジションだと、ライダーが無駄な力をフロントに与えてしまいフラつく場面もあるのだが、短いハンドルバーとバックステップ化で、バイクなりの動きをライダーが邪魔することなくニュートラルな特性になったということである。タイムを詰めるための本気のレーサーではなく、言わばカフェレーサー。いや、新時代のボバー登場である。