2004年からエンジンがラバーマウント化され、以前のモデルよりも若干スポーツ性が失われたと言われる現代のスポーツスター。サンダンスは、あらゆるカテゴリーのハーレーの魅力を、さまざまなノウハウを用いて引き上げるプロ集団だが、ここに紹介するスポーツスターもその1台である。
ベースは現代版インジェクション吸気となったスポーツスター XL883R。ツアラーとしての性能をアップした現行モデルをベースに、ストリートバージョンとしてのスポーツ性をアップさせるために、サンダンスオリジナルの装備とノウハウを注ぎ込んだのが、このカスタムなのである。
まずは軽量化。レーシングマシンを製作するのではないから、質感の高い金属質なルックスを保ちながら、車体のセンターから遠いパーツを軽くする。それはホイールの交換であり、ガソリンタンクもアルミで製作。そのマウント位置にもこだわった。マフラーもサンダンスオリジナルで軽量化に貢献している。
エンジンはブランチヘッドを搭載して、1200cc にボアアップ。クランクはノーマルのまま完璧なバランス調整をほどこした。その他、カムとプッシュロッドにアンドリュース製を用い、インジェクションはツインテックのサンダンスオリジナルマッピングを施してある。
さまざまなハーレーシーン、特にレースでの実績とノウハウを数多く持つサンダンスが製作するストリートカスタムは、妥協のない楽しさを表現できるスペシャルな一台として、他に類を見ないハーレーであることは間違いない。現行の XL 系でも、これだけストリートでのスポーツ性を追求できるという答えがここにあるのだ。