往年の’60ダートトラッカーをイメージし、トランプが仕掛けたSSカスタム。ノーマルヘッドのポート/バルブ加工にハイコンプピストン、キャブにはFCR、点火システムはダイナ、さらにハイカムが組み込まれ、ストックとは別モノともいえるパフォーマンスを入手している。代表の長岡守さんは、「これがSS1200モーター本来のポテンシャルだ」という。乾燥重量195kgのライトウェイトシャシーに、後軸で85psを搾り出すモーター。ブレンボ4ポットキャリパーにミスミローター、ラジアルマスターのタッチも良好で、ストッピングパワーに何ら不満はない。
スタイリングもいい。前後のほどよいローダウンにビレットホイールを組み合わせている。ワークスレーサーXLRを模したワンオフタンクがメインとなるエクステリアには、Tobacco metallicをベースにシャープなスキャロップをドロウ。オリジナルバーに、同じくオリジナルバックステップ、TTカウルシートによるポジションは、ストリートユースをメインに考えられたコンパクトなもの。体を伏せれば、砂塵を巻き上げオーバルコースを駆け抜けるダートレーサーさながらの気分が味わえる。チューナーとしても一級の腕を持つ長岡氏によるセッティングも絶妙で、全身をダイレクトに刺激するサウンドがたまらない。その乗り味は、縦横無尽に空を舞うゼロ戦のようだ。