2008年に発表され、当時のハーレーフリークに衝撃を与えたモデル。それがこのロッカーCだ。登場するなり、これはハーレーの打ち出した近未来へのアイデンティティとさえ言われ、その後のニューモデルへの興味を大きく引き寄せた1台でもある。
当時のハーレーはこのロッカーCをはじめ、クロスボーンズなど、メーカー主導のカスタムモデルを次々に発表し、まだハーレーに乗っていない潜在的なユーザー心理を実際のライディングシーンへと引き上げるプロセスを強力に感じたが、その一方で、あまりに完成されたフォルムゆえ、カスタムの方向性を見つけにくいという考え方も出現して、実際の販売に繋がらなかったという側面もあった。
そんな個性的なモデルであるロッカーCは、現在の新車ラインナップには存在しない。すなわち、このモデルを所有しているだけでも、今後大変な希少価値が生まれてくるとも予想できるのだ。
オーナーの宮崎さんは、ロッカーCをカスタムする上で、その特徴的なシルエットを壊さぬように配慮している。本来クラシカルな外観となりやすいソフテイルフレームに個性的な外装を装着して近未来感を醸し出しているベースモデルの特徴を、さらに昇華させたような大胆なデザインワークで見るものを圧倒するのだ。
スムージングされ、長く伸ばされたフロントフォークは、レイク角の大きいトリプルツリーにセットされ、投げ出されたフロントホイールを主張する。メッキパーツの選択も効果的で、優雅なイメージのロッカーCが出来上がった。