クロームの施された華奢なガーターフォークにモールディングされたリジッドフレーム、コンパクトなエクステリアとそれらを彩るサイケなペイント。コブラシートにそびえるシッシーバー、すらりと伸びるショットガン……。カスタムバイクの黄金期と評される1970年代のアメリカ・カリフォルニアからタイムスリップしてきたかのようなご覧の一台は、京都の HOTCHOP SPEEDSHOP が NEW ORDER CHOPPER SHOW にエントリーさせた最新作。
「当時モノのガーターフォーク、このパーツありきで始まったプロジェクトです。オーナーはお任せのオーダーで託してくれたのですが、ここまで派手になるとは予想していなかったと思う。実はショーの当日に初対面してもらったのですが喜んでくれたので何よりです」
リジッドフレームの形状はストックと比較すると大幅にストレッチされネックチューブも寝ているのでご覧の通り大きく長く見えるが、ひとたび股がれば意外な程コンパクトなポジションが与えられているのがわかる。コーンショベルのトルクと「カチカチ」と決まる調律された4spミッションで、市街地でもストレスを感じることなくいたって「普通」に走るロングフォークチョッパー。特質すべきポイントである。
エグリ加工が施され複雑なアウトラインが与えられたフューエルタンクやシッシーバー、ワンオフのドラッグパイプも見所。ホイールキャップやビンティッジテール、HOTCHOP SPEEDSHOP のオリジナルキャスティングパーツなど、さりげなく主張するディテイルにもビルダー・ケンタローの非凡なセンスを垣間見る。ジェントルな色使いだが緻密なグラフィックをフルメニューで構成したシェイキン清水。彼の気迫のペイントが、このチョッパーの存在感を決定的なものにしているのは言うまでもない。