JENE CHOPPERSの最新作、1952年式のパンヘッドをベースに無骨な角パイプ製ナローガーターフォークが取り付けられたロングフォークチョッパー。ストレッチされたデンバー製オールドフレームにガーター特性の前方へのオフセットが加わり、ロングフォークディガーとも言える独自のスタイリングに仕上げられている。
シッシーバーはスクエアタイプのガーターフォークに合わせ、角パイプを使って製作。さらに同テイストのエッジが効いた鍵十字型のオイルタンクが加わり、一体感が生み出されている。それだけではない、外装にはあえて丸みを帯びたピーナッツタンクとアーチの深いラウンドフェンダーを取り付け、トータルで直線と曲線の調和が図られている。1インチ径の華奢なデンバーフレームのイメージに合わせ、センターマフラーのエキパイには38Фのステンレスパイプを使用している。サイレンサーはステンレス鈑をプレスして上下で繋ぎ合わせた2ピース構造。継ぎ目をアクセントとして残し、さらにエンド部に向かって緩やかにテーパー加工が施されている。フラットフィニッシュのカスタムペイントはシェイキン清水が担当。アイボリーホワイトベースに描かれた比対称のグラデーションペイントは1970年代テイストながらも、どこかオリエンタルな印象を受ける。
STDヘッドが組まれたパンモーターにはストローカーキットがインストールされ80ciにスープアップ。モーリスマグが取り付けられバッテリーは排除されている。ビルダー仁田法男本人の試乗により、チューニングモーターならではの弾けるような排気音とストックを凌駕した走行性能を伺い知ることができた。
アイデアを生み出す旺盛な想像力と、それを現実の形へと変える確かな創造力。直線と曲線が調和したこのタイトかつロングなフォルムには作り手の緻密な計算が隠されている。真のオリジナリティとは想像力と創造力の結晶である。