ハーレー乗りの誰もが一度は憧れたに違いないローライダー。その最初のモデルはショベルヘッド時代で 1977年式 年。それまでツーリング系の FL とスポーツスターの XL だけだったラインナップに加えられた新たなる FX という車種―― FXS ローライダーの誕生である。そのシルエットはダイナフレームに移行した後もダイナ ローライダーとして受け継がれてきた。現在でも、このモデルは最も人気のあるカテゴリーと断言できるだろう。
ハーレーダビッドソン湘南は、そのダイナ ローライダーをベースに、初期のローライダーのシルエットを連想させるようなモディファイをこのライトカスタムに施した。最も大きな変更箇所は前後のホイールをクラシカルな9本スポークタイプにしていることだが、他にはそれほど大きな変更なしに、シャープなスタイルを演出しているのである。
ローライダーはエンジンやフレームの変更を受けても、常にローライダーとしてのシルエットを継承してきた。初期型の華奢なイメージは、その走行性能の向上と共に少しずつ失われて、ダイナ ローライダーは走りも高性能な機種として人気を保っているのだが、やはり初期型に対する憧れはどこかに存在するものだろう。そんなライダーの感情をうまく表現した1台として完成させたモデルである。これで足らないのは、後部座席に付く短いシッシーバーと、個性的だった2in1タイプのマフラーだけか。この車両を購入したライダーは、さらにモディファイを進めるか、このストックで乗り続けるか悩むことになるだろう。しかし、そこがライトカスタムの楽しさと言えるのかも知れない。