テイスト代表の河内山アキラを父に持つ、20代の同店2代目・河内山友郎がこのマシン製作を手がけた。ダイナをベースにカフェレーサーを彷彿させるフォルムにメイク。既存の枠にとらわれない、自由な発想の元に生まれた「次世代カスタム」とでもいうべきマシンだ。「戦闘的に、そしてあえてハーレーらしさを出さないようにしたんです」と語るビルダー。ブラックとシルバーでまとめたシックなカラーリングに加え、確かなクオリティを誇るミスミエンジニアリング製のビレットパーツが前後の足回りを彩る。
そしてこのマシンでもっとも注目を集めるのが、フロントカウルとタンク、リアフェンダーだ。カウルは1997年に登場したXLCRのものをベースに、センターを5cm扇状にカットして整形。タンク下部が鋭角にえぐられる3Dタンクは、パーツごとに型紙を起こし、鈑金にて製作した。そしてリアフェンダーは、KAWASAKI Z IIをモチーフにしたグラスファイバー製。それら個性の強いパーツ群をバランスよく組み合わせた斬新なスタイリングに、ビルダーの手腕の高さを思い知る。
早速街中を流してみると、必要にして十分なパワーにアグレッシブな前傾姿勢、ほどよく耳を刺激するエキゾーストサウンドが乗り手を高揚させる。高速道路を突っ走りたい衝動に駆られるマシンだ。