メーターパネルインジケータ球の交換
つかみどころのないバルブには
チューブを使う
スポーツスターのインジケータ照明に用いられているバルブは、金属金具のないウエッジタイプの電球だ。これには省スペースというメリットがあるがあまりにコンパクトにまとまりすぎているため指で引き抜くことができない。こんな場面で便利なのが、燃料ホースなどに使える汎用のゴムチューブだ。
電装パーツのメンテでは、ヘッドライトやテールライト、ウインカー球を交換することもあるが、それらは国産車と同じ感覚で実践できる。だが、メーターパネル下に横並びになったインジケータ球の交換にはちょっとした工夫が必要だ。
五つ並んだインジケータ球は、樹脂製のハウジングに挿入された状態でメーターパネルにビス止めされているが、このハウジングがとても狭くて、指でつまんで引き出すことができないのだ。ゴム製のソケットごとハウジングの後方に引き抜くこともできそうだが、インジケータ球は根元に金属金具のないウェッジタイプなので、ソケット部に大きな力を加えると割れてしまう。
ここでスペシャルツール的働きをするのが、燃料ホースにも使える肉厚の薄いゴムチューブ。これを球の正面に押しつけて適度に差し込み、ゆっくり引っ張れば無傷のままソケットハウジングからスポッと抜けるのだ。これは覚えておいて損のないテクニックだ。
インジケーターハウジングをメーターパネルに固定するビスは、いじり止め付きのトルクスビス(ここではストレート製を使用)。プラスドライバーでは代用できないので注意。
5つのインジケーターアイコンは1枚の透過式プレー卜に印刷されている。5つの窓が開いたトリムプレー卜によって、それぞれが独立して見えるというわけだ。
これがインジケーターランプハウジング。見ての通り各部屋ともウェッジ球がぴったり収まるサイズで、金具付き電球ではありえないスりムさだ。しかしながら指が入らない。
電球がついたまま、ハウジング裏側にソケッ卜を引き抜くこともできるが、ハーネステープを切らないと配線が突っ張ってしまう。ラジオペンチでつかむのも荒技すぎる。
ウェッジ球には金具がないから、押して回す動作はいらない。手前に引き抜くための道具として思いついたのが、ホームセンターで買える、内径φ5mm程度の汎用チューブ。
チューブをグイッと差し込んで引っ張ると、面白いほどうまい具合に抜けてきた。新品の電球を取り付ける際にも、チューブに浅めに挿せばソケットに正しく導くことができる。
インジケーターランプハウジングの着脱に必要なトルクスのサイズはT10。車体周りに使われるものよりはるかに小さいが、いざというときのために準備しておきたい。