VIRGIN HARLEY |  【ハーレーダビッドソン X500 試乗記】大型バイクらしい堂々とした乗り味、それでいて俊敏だ試乗インプレ

【ハーレーダビッドソン X500 試乗記】大型バイクらしい堂々とした乗り味、それでいて俊敏だ

  • 掲載日/ 2023年11月01日【試乗インプレ】
  • 取材協力・写真/HARLEY-DAVIDSON JAPAN 取材・文/佐川 健太郎 衣装協力/KUSHITANI
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HARLEY-DAVIDSON X500(2023)

HARLEY-DAVIDSON X500の特徴

弾けるトルクのアメリカンロードスター

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ハーレーダビッドソンのXシリーズは小中排気量スポーツカテゴリーへの挑戦を担う新たなモデルである。今回日本に投入されたのが、普通二輪免許で乗れるハーレー初のモデルとして登場したトラッカースタイルの「X350」とアメリカンロードスターを掲げる「X500」。

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ともにリラックスしたライポジとコンパクトな車体、スポーティな走りを楽しめる都市型コミューターという位置づけだ。設計はハーレーが本社を置く米国・ミルウォーキーで行い、生産は提携企業である中国のQJモーターサイクルが担当している。

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水冷並列2気筒DOHC4バルブの360度クランクを採用するエンジンの基本レイアウトは「X350」と同じだが、異なるのはボア・ストローク値がほぼ同じスクエア設定(X350はショートストローク設定)になっていること。排気量も500ccと日本では大型二輪カテゴリーになる。最高出力は47ps/8500rpmを発揮。最大トルクも46Nm/6000rpmと「X350」の1.5倍ほどある。

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フレームはスチールパイプで組まれたエンジンを吊り下げるタイプ。ダンパー調整機構付きの倒立フォークとリモートプリロード調整が付いた直押しタイプのモノショックを装備。前後17インチアルミホイールにABS付きのトリプルディスク(フロント2枚、リア1枚)を装備する。

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灯火類もフルLEDタイプとするなど「X350」と共通の要素も多いが、よく見るとエンジンや車体デザインはもちろんのこと、フレーム構造からサスペンション設定、ブレーキディスクの形状とサイズ、マフラー形状までほぼすべてが異なるなど、独自の個性と魅力を持ったモデルとなっている。なお国内導入は11月下旬~12月上旬の予定。日本での販売価格は83万9800円となっている。

HARLEY-DAVIDSON X500の試乗インプレッション

新感覚だがハーレーらしさも匂わせる

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最初に見た印象は「堂々としているな」。写真より大きく感じる。丸みを帯びたシルエットにティアドロップ型タンクやスポーツスターを思わせるリアフェンダーなど、「X500」は随所によりハーレーらしさが散りばめられている。車体中央にどんと収まる黒塗りのエンジンは存在感があり、クラシカルな雰囲気が好きな人にも刺さりそうだ。

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足まわりのグレードも一段と高く、倒立フォークはφ50mmと極太でディスクブレーキも大径サイズとするなど排気量に応じた装備が与えられている。エンジンは「X350」同様の水冷並列2気筒ではあるが、こちらは排気量500ccで最高出力も11psも上回っているし、しかもボア・ストローク比をスクエアタイプとして低中速トルク型に振るなど、単に排気量違いの兄弟モデルとせずにちゃんと作り分けしているところが嬉しい。

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実走してみると加速も一段と強力で、スロットルの反応も俊敏。アクセルを開けると弾けるように飛び出していく。サウンドも「X350」が多気筒的な連続音であるのに対し「X500」は単気筒的な鼓動感が強調されている。マフラー形状も異なっているが、両者とも同じ並列2気筒で等間隔爆発の360度クランクと考えると興味深い。

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車体も大型バイクらしく堂々としたサイズ感で、ライポジも上体が起きた正統派スタイル。車重208kgは「X350」に対しては13kg増だが、このクラスとしては標準的だろう。ハンドリングは思いのほか軽快で、左右への切り返しなどは見た目以上に俊敏。理由としては、エンジンがトルクフルかつレスポンスが良いため、スロットルのオン・オフで車体の姿勢変化を作りやすいことが挙げられる。

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また、ハンドル位置が高くワイドなのでテコの原理で倒し込みやすく、シート高も820mmとやや高めの設定のため体重移動の効果を出しやすいと感じた。ちなみに標準装備のマキシス製タイヤ(サイズもX350と共通のフロント120/17 リア160/60)は接地感が豊富でコーナリングも安心して楽しめた。パワーと車格も含めて、大型バイクらしさとそれを操る楽しさを味わえると思う。街乗りたけでなく、積載さえ工夫すればツーリングにも十分使えそうだ。

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Xシリーズは誰もが思い描いてきたハーレー像とは見た目も出自も異なるが、常に新たな挑戦を求めてきたブランドであることは120年の歴史が証明している。色眼鏡で見ることなく、ぜひ一度乗ってみてほしい。

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HARLEY-DAVIDSON X500の詳細写真

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排気量500cc水冷並列2気筒DOHC4バルブから最高出力47ps/8500 rpmを発揮。ボア69.0mm×ストローク66.8 mmのスクエア設定で低中速トルクに優れる特性だ。大型バイクらしい存在感のあるエンジンである。

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前後17インチのアルミ製ホイールにはフロント120/70、リア160/60サイズの Maxxis Su permaxx ST タイヤを標準装着。ブレーキは大径フロントダブル&リアシングルディスクにABSを装備。伸側ダンパー調整付き倒立フォークはφ50mmと極太サイズ。

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エキゾーストはエンジン下にサブチャンバーを持つ右出し2 in1タイプで、サイレンサーの排気口は迫力ある上下2段タイプ。ハーレーらしい鼓動感のあるメリハリのあるサウンドだ。

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X350と共通の丸型ヘッドライトを採用。テールとウインカーも含めて灯火類はフルLEDを採用しているがデザインは異なる。イグニッションONでリング状のDRLとHARLEY-DAVIDSONブランドロゴが浮き上がる。

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ボリューム感のあるフューエルタンク容量13.1LでX350よりやや少なめ。後端部は絞り込まれていて走行中のホールド感は良好だ。日本仕様はハイオク指定。

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ホワイトステッチとレザーの切り替えが美しいクラシカル感漂うダブルシート。厚みも十分で座り心地も良くタンデムシートも街乗り程度なら十分こなせそうだ。シート高は 820mm。

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シートとその下にあるカバーを取り外したところ。バッテリーや電装パーツ類がみっちり詰まっていて何か入れるスペースに余裕はなさそうだ。

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リアサスペンションはリンクを介さない軽量シンプルな直押し式モノショックを採用。レイダウンすることでプログレッシブ効果を狙ったものと思われる。手で回せるリモートプリロードと伸側ダンパー調整付きで、X350同様車体右側にオフセット配置されているため調整もしやすい。

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ハンドルバーは高めで幅も広くリラックスしたライポジが自然に作れる。バックミラーはX350より質感高めで、張り出しもなく街乗りには重宝する。

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メーターもオーソドックスなアナログ指針の丸型タイプ。小さな液晶ディスプレイが埋め込まれていて、下のスイッチでオド&トリップ、時刻、タコメーターなどを切り替えて表示することができる。X350と共通タイプ。

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スポーツスターを彷彿とさせるリアフェンダーまわりがハーレーであることを主張。ナンバーステーはスイングアームの左側から伸びた独立タイプで軽快感と新しさがある。

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「X500」と「X350」はそれぞれに個性的でユニークな乗り味とデザイン、ハーレーらしさを持った新世代のハーレーである。

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