大磯ロングビーチ駐車場にて2023年4月12日(水)~13日(木)の2日間に渡り第8回JAIA輸入車二輪車試乗会・展示会が開催された。
日本国内で輸入販売されている世界各国のバイクブランドが一堂に会し、最新のモデルを試乗することができるイベントだ。残念ながら一般ユーザーに向けて行われるものではなく、ウェブ媒体や雑誌などメディア関係者を対象としたイベントとなっている。ただモーターサイクルジャーナリストをはじめとしたバイクのプロフェッショナルと言えども、これほどの数の最新モデルに一気に試乗できる機会というのはまずないこともあり、毎回多くの参加者が訪れている。
様々なメーカーのブースが建ち並ぶ会場の中から、ハーレーダビッドソンをピックアップし、その様子を紹介するとともに、2023モデル大幅に手が加えられて登場したブレイクアウト117のショートインプレッションをお伝えする。
2023ハーレーラインナップにおいて、ヒーローモデルの一台として登場したブレイクアウト117。従来のブレイクアウト114ですら強烈な個性が与えられたモデルではあったのだが、ハーレー史上最大排気量のミルウォーキーエイト117エンジンの採用をはじめ、各部ブラッシュアップされることで、さらにパフォーマンスが引き上げられた。JAIA輸入車二輪車試乗会で、その最新のブレイクアウト117に触れた感触をお伝えしよう。
従来モデルからたびたび試乗テストを行ってきたブレイクアウトは、フロントに21インチ大径タイヤ、リアに240サイズのファットタイヤを踏襲しており、大きなスタイリング変更がなされていないものの、近づいてみると雰囲気が大きく違って見える。
そのことに関して第一に挙げられるのが、容量を40%以上拡大したボリューミーなフューエルタンクだ。跨ってみるとそれは特に感じられる。そしてハンドル位置が3/4インチ上方にセットされたことにより、上半身はややゆとりが与えられた。とはいえ走り出すと、アグレッシブなライディングポジションではあったが……。
排気量が引き上げられたエンジンを始動し走り出す。大磯ロングビーチを出て、すぐに自動車専用道路の西湘バイパスに乗る。後続車を確認しながら流れに乗ろうとスロットルを開くと、まるで背中を蹴り飛ばされたかのような猛烈な加速を味わうことができた。思わず上腕三頭筋に力が入ってしまうが、そうすると車体のコントロールの自由度が低下するので、背筋、腹筋に力を入れつつ、流れをリードする。
湘南エリアの市街地、そしてワインディングを走らせる。前後タイヤサイズのタイヤバランスからも分かるように、いわゆる“立ちが強い”ディメンションではあるのだが、ハンドル位置の変更により、コーナーリング時のきっかけがつかみやすくなった分、寝かして曲がってゆくこともしやすくなっている。
2000回転も回せば心地よいクルーズを楽しめるトルクフルなエンジン、スロットルをワイドオープンすれば後ろにのけぞるような加速感との両立、さらには人の目を惹きつける魅力的なスタイリング。生まれ変わった新型ブレイクアウト117を手にするには、自身も磨き上げなければならないと感じさせてくれた。