ラバーマウント化する前の、最終リジッドスポーツXL883をベースに、8年の歳月をかけてコツコツとカスタムしてきたオーナーのigarappaさん自慢の一台。ともにカスタムを手がけたのは、神奈川のカスタムショップ 一国サイクルワークスだ。テーマはずばり「温故知新」。
「メッキパーツが少ないベース車両として、この883を選びました。ようやく描いていた理想の姿にたどり着いたと、感無量です」
ピーナッツタンクにそら豆シート、F19/R18インチのスポークホイール、そこに左出しの一国オリジナルエキゾーストやグリーン×ブラックを意識したグラフィックと、古き良き時代のスポーツスターの姿を見事に再現。ハーレーへの造詣の深さを感じずにはいられない完成度である。
一国が着手するからには、ライディングパフォーマンスをおろそかにするわけがない。フロントブレーキはシングル仕様ながらブレンボ製キャリパー & ディスクを換装、リアも同様とされる。リアショックにはオーリンズS36Eがおごられ、フロントスプリングもストリート仕様になっている。
「僕の性格や乗り方、そしてバイクとの相性などを吟味したうえで、『こういう乗り方ができるようにしてみない?』とか『ここはこういう風にセッティングしてやるといいよ』って、最適な提案をくれるのが一国の梅島さんです。その提案どおりにカスタムすると、それまでとは違った乗り心地を必ず体験できるんです。ええ、全幅の信頼を寄せていますよ」
実はもう一台、XR1200(2009)を所有しているというigarappaさん。街中を流すときや仲間とツーリングに行くときなど、そのときどきで乗り出すバイクを変えているのだそう。XR1200とは違ったスポーツスターらしい味わい深さをしっかり引き出しているこのXL883は、これからもずっと大切な相棒であり続けるだろう。