「滅多に出てこない“アタリ”の一台。徹底的にパフォーマンスアップを図りました」
H-D100周年記念にして最終ソリッドスポーツとなる2003年式 XL1200S。タンクやシート、リアフェンダーなどパッと見た感じはノーマル然としているが、そのままサーキットに持ち込んでも申し分ないパフォーマンスを発揮する、ストリートの枠を超えた街乗り仕様に仕上げた一台を前に、トランプ代表の長岡守氏は誇らしげに語る。
元々コンディションの良かったエンジンに腰上オーバーホールとカムの変更というライトチューニングを施し、同ショップの代名詞であるフルチタンマフラーとハイフローエアクリーナー、さらにFCR 39mmキャブレターを組み込んで潜在能力を最大限に引き出す。PM製ビレットホイールでF19/R18インチ化した足まわりには、ブレンボ製レーシングマスター&キャリパーに換装。さらにクロモリ製スイングアーム&チェーンドライブ加工というハードなメニューが加わり、その走行性能はスポーツスターの域を超えたレベルに到達している。
その乗り味は、スポーツスターにしてスポーツスターにあらず。ハーレーらしい、ほど良いトルク感をしっかり持たせつつも、ソリッドスポーツにありがちな不快なノイズや角がしっかり取り除かれているのだ。ツインの味わいと操る楽しさが内包された、古き良き時代の薫りを放つオートバイと言えよう。新車のソフテイルが買えるほどの価格ながら、そのカスタムメニューを見れば納得してしまう。
華より、実。限界を超えたスポーツスターのハイパフォーマンスを味わいたい人にこそふさわしい一台だ。