「実はこのナイトロッド、車高を上げているんですよ」
そう不適な笑みを浮かべるのは、H-Dシティ中野の松本 泰輔店長。ロー&ロングスタイルが大きな魅力であるVロッドの車高を上げてしまうとバランスが崩れるのでは……と危惧するところだが、実際に跨がってみると、驚くほど楽なポジションで、スポーティな乗り心地がカンタンにイメージできてしまう。元々がドラッグレーサースタイルのVロッド、“低く長く”が当たり前だと思われがちだが、そんなモデルに逆転の発想とも言えるアプローチをはかり、見事にまとめてみせた。
フロントマスクやシートカウルなどが劇的にカスタムされているので、ついそこに目がいきがちだが、オートバイとしての基本軸は何も変えていない。それこそ、Vロッドカスタムの定番とも言えるリアタイヤの極太化すらしていない。マフラーさえもノーマルという、「プランニングどおり」の必要にして十分なカスタムモデルとなっているのだ。
「乗ってみると、思い描いていた以上に軽快で走りやすいです。Vロッドに対する印象が一変しましたね」
首都高などでこの一台に遭遇した際は、見た目に惑わされてはいけない。コーナリングでもかなり“いい勝負”を仕掛けてくること請け合いである。