VIRGIN HARLEY | ハーレーダビッドソン究極のファクトリーカスタムCVO™を試乗インプレ!全部盛り+特別仕様=ウルトラリッチ、2021年式 FLHTKSE CVO™ウルトラリミテッド 特集記事&最新情報

ハーレーダビッドソン究極のファクトリーカスタムCVO™を試乗インプレ!全部盛り+特別仕様=ウルトラリッチ、2021年式 FLHTKSE CVO™ウルトラリミテッド
掲載日/2021年8月27日
取材協力/ハーレーダビッドソンジャパン 取材・文/小松 男 写真/稲垣正倫
構成/バイクブロス・マガジンズ

ハーレーダビッドソンのモーターサイクルラインナップにおいて頂点に立つ一台、それがCVO™ウルトラリミテッドだ。職人の手作業により限定生産される究極のハイパフォーマンスツアラーを紹介する。


ハーレーダビッドソンのフラッグシップファミリー『CVO™』 その中でも究極の贅を尽くしたハイエンドツアラー

CVO™とはカスタム・ヴィークル・オペレーションを略したものであり、ハーレーダビッドソンに在籍する技術者たちの手によって、特別に限定生産されるファクトリーカスタムモデルだ。その内容はスクリーミンイーグルのパーツが組み込まれたエンジンにはじまり、円熟した職人が手掛けるプレミアムペイント、専用仕様とされた数々のカスタムパーツなど多岐に渡るもので、まさしくハーレーダビッドソンの頂点に立つモーターサイクルとなっている。2021年モデルではCVO™ストリートグライド、CVO™ロードグライド、CVO™リミテッド、CVO™トライグライドの4車種が用意されており、今回はその中で2輪モデルのハイエンドにあたるCVO™リミテッドをフィーチャーする。

超大柄な体躯から溢れ出るオーラ 触れる者を拒むかのような圧倒的存在感



90年代後半にプロジェクトが立案され、ミレニアムを迎える直前の1999年に最初のモデルが登場したCVO™ファミリー。元々ハーレーダビッドソンにはカスタムカルチャーが根付いていたが、それをメーカー側の手により、エンジンのチューンアップからハンドメイドペイントまで施したもので、他のラインアップとは一線を画すプレミアムな仕上がりが最大の特徴。今回テストを行うCVO™ウルトラリミテッドは、ツーリングファミリーのウルトラリミテッドをベースに開発されているのだが、そもそもウルトラリミテッドはフラッグシップにあたるモデルであり、大きなフェアリングやフルケースを装備する圧倒的な体躯を誇る一台である。それをさらにカスタマイズしていることもあり、存在感は半端なものではない。そのようなCVO™ウルトラリミテッドに触れ、魅力を探ってゆくことにしよう。

停車時こそ緊張を強いられるものの 走り出したとたん極上の乗り心地をもたらす



すべての人が、と言い切ってしまうが、CVO™ウルトラリミテッドを目の前にすると、その大きさに一瞬たじろいでしまうことだろう。世界中のあらゆるモーターサイクルに日々触れている私でも、最初の滑り出しは若干躊躇するほどだ。それにCVO™ウルトラリミテッドはしっとりと美しく輝くプレミアムハンドペイントや、眩いばかりのクロームパーツがふんだんにあしらわれており、卓越した豪華絢爛さを併せ持っている。 セルスターターを回すとスクリーミンイーグルのパーツを用いてCVO™のためにチューンアップされたミルウォーキーエイト117エンジンが目を覚ます。その排気量はなんと1923ccを誇る。ハンドルに手を伸ばしクラッチを繋ぐと、428kgもの車体をいとも簡単に前へと押し出し始める。一度走り始めてしまえば極上と言える世界が待ち受けている。フロントフェアリングにより走行中の不快な風を受けることはないし、オーディオからのサウンドもしっかりと耳へと届く。標準装備されるBOOM!™ BOX GTSインフォテインメントシステムを使い、スマートフォンなどと連動すれば、ツーリングはさらに快適なものとなるのだ。

エンジンのチューニング具合もとても素晴らしく、166Nmものトルクを持ちながらも低回転域ではシルキーな滑らかさを体感でき、スロットルをワイドオープンさせると、アグレッシブな吸排気音を轟かせながら、強烈な加速を得られる。トラクションコントロールやABSなど車体制御を司る電子デバイスREFLEX™のおかげで、強大なパワーであっても破綻することが無いということも、安心してライディングに集中できるポイントだ。

付け加えておくならば、ウルトラリミテッドのフロントタイヤは18インチなのに対し、CVO™ウルトラリミテッドでは130/60Bの19インチが採用されている。その分シートが20mm高い760mmとなってしまっているが、ハンドリングは実にニュートラルなものであり、巨体を感じさせず意のままにコントロールすることができる。だからちょっとそこまで走らせることも苦にならないのだ。ラゲッジに荷物を満載にし、タンデムで地平線の先を目指す旅へと誘う。そんなシチュエーションを連想させるCVO™ウルトラリミテッドではあるが、普段使いもこなす快適な移動道具でもあることは実はあまり知られていない。車両本体価格は550万8800円と、トライクモデルを除くともっとも高価なモデルになっているが、それだけの価値は十分にあるとテストを通じて感じられた。

排気音1923cc、トルク166Nmというスペックを誇り、428kgもの巨体をいともたやすく前へと押し出すミルウォーキーエイト117エンジン。スクリーミンイーグルのパーツが取り入れられている。

大胆に肉抜きされたトマホークホイールは、フロント19インチ、リア18インチが組み合わされる。デュアルベンディングバルブを採用したフロントフォークと相まって、ナチュラルなハンドリングをもたらす。

ライダーを走行風や降雨から防ぐ大型のフェアリング。ヘッドライトはLEDを採用しており、外周リングをポジションランプとして機能させるだけでなく、リーンアングルに応じて灯火するアダプティブランプを搭載している。

フェアリングの内側となるダッシュパネルも艶やかなペイントで仕上げられている。視認性の高い計器類、車両状態の確認からオーディオコントロールなどができるBOOM!™ GTSインフォテインメントシステムでコクピットを固める。

ライダー、パッセンジャー共に大型バックレストを備え、専用ステッチが施されたシート。座り心地は上質そのものであり、長旅へと誘う。シート高は760mmで設定されている。

トップケース、サドルバッグ共に、ワンタッチ施錠が可能なバックルを備えており、使い勝手は上々。容量は大きく、数泊に及ぶロングツーリングの荷物も難なく詰め込むことができる。