ベース車両であるXL883Rは、今なおアメリカで高い人気を誇るダートトラックレースにて一世を風靡したハーレーのレーサー XR750 をイメージソースに、現代版H-Dレーサーモデルとしてラインナップに並ぶ希有なモデルである。これが2台めのバイクというオーナーのめっささんは、そんなXL883Rを自らの手でよりレーシーに仕上げていこうとしている。
ブレンボのキャリパー&マスターシリンダーやトランプの2in1フルチタンマフラー、350ミリ近くまで伸ばしたオーリンズ S36E、HARRICANEのミリバー BMコンチⅠ型、フロント19 / リア18インチに設計したグライドのマグホイール、ベビーフェイスのバックステップキットなど、ストリートリーガルというテーマから引き出されたパーツ群は、メーカー名こそ違えど明確な意図のもと、違和感なく車体をよりソリッドにまとめている。さらにインジェクションチューンの王道メニューでもあるサンダーマックスを注入、車体の軽量化とあいまって、より高度な走りを生み出していることは間違いない。
めっささんと愛機の付き合い方は多岐にわたる。ロングツーリングにワインディング、街乗りを楽しんでいた日々に、サーキット走行という遊び方まで増えたそう。
「まだグレードアップしたいところはあるんですが、どんなスタイルに仕上げていきたいかは決まっているので、それに沿ってひとつずつカスタムしていこうと思います。チェーンドライブ化? ツーリングもしたいので、耐性の高いベルトドライブのままにしておきます」
余談だが、この取材の翌日、リアショックがS36Eからオーリンズ レジェンドツインにグレードアップしたそう。このXL883Rの進化はまだ止まりそうにない。