この車両をぱっと見て、何よりタンクのデザインに目が行くのではないだろうか。そう、世界に名だたるギターメーカー『ギブソン』が世に送り出した名作と言われるエレキギター『ギブソン・レスポール』をイメージしたもの。そんなド派手な外装に目を奪われてしまうと、このスポーツスターの本質には気付けない。「ツーリングもワインディングも両方楽しめる、“走り”に重点を置いたカスタムを目指しました」というオーナーと、スポーツスターのカスタムを得意とする京都のショップ「グローリーホール」の腕が発揮された珠玉の一台なのだ。
新車で購入した当初は、前後ローダウンとフルペイントといったスタンダードなカスタムを施していたが、あるときを境にレーシーなスタイルへの移行を決め、今の姿となっている。左右2本出しとなる小野商会製エギゾースト「サイドワインダー」をグローリーホールがアレンジして装着、さらにドイツのBERINGER(ベルリンガー)製キャリパーに前後ホイールをミスミエンジニアリング製5スターホイールに交換。ほかにカーボンで巻いたステンレス製ハンドルバーやオーリンズ製リザーバー付リアショックアブソーバと、オーナー自身も「もうやり尽くしました」というほどのカスタムだ。
「アメリカの車両にフランス、ドイツ、日本とさまざまな国のパーツを取り入れた多国籍カスタムです。かなり遠回りをして今に至ります」
サーキット走行は「コケたら修理費が大変なので」と未経験だそう。しかし、ここまで走行性能を突き詰めたスポーツスターだ、一度はサーキットを疾走する姿を見てみたい。