
カスタムは、唯一無二のオリジナルに拘るワンオフバイクが究極だが、気軽に楽しめるチョッパーテイストやボバーというカテゴリーも重要だ。基本的なバイクライフをそんなシンプルでクラシカルなバイクに求めるライダーは多い。部品屋K&Wは、そんなニーズにレスポンス良く答えて、数多くのカスタムバイクを生み出している。
400ccクラスの国産アメリカンバイクで最も認知度が高いのがスティードだが、今やその個体はかなりの速度で減りつつある。アメリカンモデルは、その後も生産されてはいるが、最初の国産アメリカンブームを牽引したこのスティードは、すでに貴重なモデルと言っても良いだろう。
基本構成から完全にアメリカンバイクを意識して設計された初めての国産車はスティードである。つまり、カスタムするために外装 を剥ぎ取ると、そのフレームワークはハーレーのソフテイルモデルに似ていることに気が付くのだ。ソフテイルは、オールドハーレーのシルエットを現代に表現したバイク。おのずとスティードもオールドテイスのベースにはマッチしやすいわけである。
フロントホイールは21インチ。60本スポークのスチールホイールを採用する。
スティードのノーマルにもスプリンガーは存在するが、より軽量な74スプリンガーを、オリジナルのキットで使用する。
キャブレターにはケイヒン製のFCRを採用。網付きのエアーファンネルでセッティングする。
マフラーは、オリジナルのボルトオンショートドラッグパイプを使用。
ハンドルバーはワンオフ製作。カスタムテック製のレバー&マスターシリンダーを使用する。ハンドルスイッチはオリジナル。
ガソリンタンクはスチール製のワンオフ。低くマウントすることの拘りから、容量は5リットルほどだという。
クラッチ操作は左足で、ジョッキーシフト仕様である。
サイドカバーは、オリジナル。リブ付きのシンプルなデザインが特徴である。
ドラッグスター250は、ノーマルでは上級車種に迫るほど背伸びした大柄なイメージをデザインしているモデルだが、乗り出すと実はかなり軽快で、ハンドリングも軽い上にエンジンも高回転まで良く回る元気なモデルである。
ゴージャスな外装をすべて取り払うと、シンプルで美しいフレームが顔を出すが、さらにリヤサスペンションを取り払ってリジット化すると、その印象はさらに高まる。大柄なノーマルハンドルも破棄して、幅の狭いバーハンドルとスプリンガーフォークの装着。前後16インチのファットタイヤを使用することで、大きくイメージチェンジした。
74スプリンガーフォークと16インチホイールは、K&Wのオリジナルキット。フロントブレーキはノーマルを使用する。
スプリンガーフォークに装着されるバックミラーもオリジナルパーツ。スプリンガーミラーキットである。
キャブレターにはケイヒンのFCRを使用する。ハードなエアーファンネル仕様でセッティングされている。
マフラーは、オリジナルのショットガンタイプを装着する。
ガソリンタンクはスチール製のワンオフで、容量は7リットル程度であるという。
ハンドルは、ドラッグバーを採用。オリジナルのスイッチボックスを使用し、カスタムテックのブレーキレバー&マスターシリンダーを採用する。
クラッチ操作は左足でのスーサイド仕様。ジョッキーシフトとなっている。
リヤサスはリジットバーに交換されて、フレームはフルリジット。シンプルなシルエットにサイクルフェンダーを装備する。
トライアンフをベースに制作されたアメリカンカスタムは、60年代から存在するが、シンプルなエンジン構成により、様々なシルエットを生み出した。ダートトラックやボンネビルで活躍したレーサーのイメージも大きく、シンプルでハードなカスタムも数多かった記憶がある。
エンジンは68年のもの。つまりメリデン工場で制作され後期モデルで、クランクケースは一体型だ。これは70年代のトライアンフを象徴するシルエットで、終焉までこのスタイルは続いた。そんな時代のエンジンを使用してアメリカのACMEチョッパーズが製作したカスタムをK&Wが公道走行用にモディファイしたのである。
フロントフォークやホイールには、ハーレーのスポーツスター用をトリプルツリーごと採用する。剛性感は抜群だ。
エンジンは1968年型の650ccモデル。シングルキャブレターが装着されていたスタンダードモデルと想像できる。エキパイはACMEオリジナル。
本来はイギリス製のアマルキャブレターが装着されていたのだが、乗りやすさを追求するために、ミクニ製のVMタイプに交換された。
シンプルなリジットフレームには超軽量のリチウムイオンバッテリーを装着。バッテリーケースは、K&Wがワンオフ製作したもの。
ピーナッツタンクとシングルシートはACMEオリジナル。グラフィックも同様である。
ハンドルバーはワンオフ製作。コントロールキットはカスタムテックを採用する。