ビンテージハーレー、フラットトラックマシン、カフェ、スクランブラーとThe One Moto Showではあらゆるスタイルのカスタムバイクを見ることができる。
今年もハーレーがメインスポンサーを務めた
「The One Moto Show」をレポート
今年もアメリカ・ポートランドでカスタムバイクショー「The One Moto Show/ザ・ワンモト・ショー」が開催された。昨年、開催場所を移転し、ポートランド北部の工場地帯にある古い工場跡地が新たな舞台となった。今年も、その建物がメインのイベント会場となったが、さらにスペースを広げ、展示車両も増やし盛大に開催された。
メインスポンサーはハーレーダビッドソン。昨年に引き続き、2年連続で冠スポンサーを務めた。ハーレーは「The One Moto Show」の2週間後に、地元ミルウォーキーで開催されたカスタムイベント「Mama Traide Show/ママトライド・ショー」でも冠スポンサーを務めている。なぜハーレーは、短い期間で連続して2つのイベントのスポンサーになったのか。それにはアメリカのカスタムシーンにおける「The One Moto Show」の立ち位置にある。
アメリカでは依然として、ハーレーを中心としたカスタムカルチャー、さらにはビンテージバイクカルチャーがカスタムシーンのメインプレーヤーだ。しかし欧州車や日本車、カフェやスクランブラーといったいわゆる“ニューウェーブ系”のカスタムマシンが多数集まり、さらにはビンテージモトクロスやダートトラックなどスポーツアクティビティをミックスした「The One Moto Show」は、まさに世界のカスタムシーンを牽引するトレンドセッター的存在。アメリカで、ハーレーがカスタムシーンにおけるゴッドファーザー的存在で居続けるためには「The One Moto Show」はしっかりと押さえておきたいイベントなのだ。
では、そんなショーの様子を紹介しよう。
TPJカスタムが手掛けるオリジナルフレームのマシン。一見、ビューエルベースのマシンと判断したが、細部を見るとフレーム形状は大きく異なる。モトクロッサー用と思われるリアのモノショックや、ストローク長めのオーリンズ製フロントフォークなど、オフロード走行を強く意識したディテールが目立つ。
Number8 Wire Motorcyclesが製作したStreet750ベースのカスタムマシン。フロントにはスズキGSX-R750用フォークやブレーキ周りを移植。スイングアームやリアフレーム&サブフレームはワンオフで製作されている。
Brawny Builtが製作したストリート750ベースのフラットトラックスタイルのカスタムマシン。Brawny Builtは、チョッパーはもちろん、カフェやトラッカーなど幅広いカスタムスタイルを得意とするショップ。
1960年式のハーレーダビッドソン・スーパー10をベースにカスタムしたマシン。ファクトリー仕様のレース用エンジンを使い、&son Atelierがカスタムを手掛けている。
Adam Hughesが持ち込んだのは1919年式のインディアンと1920年式のハーレーダビッドソンのレーサー。2台が並ぶと圧倒的な存在感を放つ。
2005年にAMDを制したGoldammer Cycle Worksの「Trouble」。エボリューションエンジンのリアバンクをカットし単気筒化。ロータックス製のスーパーチャージャーがセットされている。
サンフランシスコベースのEVオフロードバイクブランド/ALTA MOTORSが造り上げたEVランドレーサー。フレームやモーター、バッテリーはALTA MOTORSのEVオフロードバイク用をそのまま使用。フレーム後端にリジッドのリアアームを、またCB350 用カウルをセットし、レトロな雰囲気を造り上げた。
XR750は依然として戦闘力が高く、フラットトラックレースではその姿を数多く見ることができる。そしてなによりも美しいのである。
パンヘッド、ショベルヘッド、エボリューション……さまざまなエンジン形式を持つ、さまざまなスタイルのカスタムハーレーも多数展示されていた。
ドイツのカスタムファクトリー/Wnnabe-ChoppersのEVチョッパー。外装やフレームラグは、すべて砂型から起こしアルミキャスト。エンジンはダミーで、さまざまなスタイルのダミーエンジンを搭載可能だという。
The One Moto Showは来年、開催10回のアニバーサリーを迎える。