「控えめなスタイルだけど、乗り手には主張する。そんなバイクに乗りたかったんですよ。まぁ、言っちゃえば『SIMPLE』ってことなんですけれども」。
誰もが振り返ってしまうド派手なスタイルではない。その主張は、強要を迫らない。
「都会でも、田園風景の中でも『馴染む』っていうんでしょうか。自分やバイクばかりが主張してもなっていうのがあるんですよ」。
オーナーの生き方の規範。大袈裟かもしれないが、カスタムにはそういうものが少なからず宿る。彼の話を聞くとそう思ってしまう。
「よくあるカスタムだと思いますが、そこまでの過程はそういう思いがあるってことで」。
そういって笑うが、確かに最終スタイルだけでカスタムを判断するのもつまらないものだ。そこまでの思いなどは、まさに十人十色。形ではなく、思いを愉しむ。これもハーレーの愉しみの一つなのだ。